思念が奔逸中

情報発信の体裁で雑念のみ垂れ流します

バーフバリ2作を深夜に観る(ネタバレあり)

インド映画「バーフバリ」が面白いらしい、と聞いたものの近くでやっている映画館が無かった為、当時お試しで登録していたU-NEXTで視聴しました。

 
そもそも興味を持ったきっかけがTwitterで流れてくる「ヒロインがセクハラ役人の指を切り落とし、その後主人公が斬首して痛快」「母との誓いか妻の尊厳か」「王を讃えよ!」という断片的な情報だったので、動画再生した時にそれが今話題になっている2の「王の凱旋」ではなく1の「伝説誕生」だと気付く始末。
 
とりあえず同じ様なテイストだろうと多寡を括って観たんですけどぶっ飛んでましたね。
主人公シヴドゥ(後に息子の方のバーフバリと分かる)がアヴァンティカちゃんという1におけるヒロインに二度ほど気付かれずタトゥー(というか絵筆で消えない絵)を描きます。
当然怒られるんですが何故か歌い踊って丸く収まる。その時の描写もワイルドで踊りながらベリー系果実二種類を握り潰しアイラインと口紅として塗るという荒業。
それで良いのか…?最早ギャグやん。
♪わたしにタトゥーを描いた人、じゃないよ犯罪※1だよ。タトゥーの概念…
 
実はミュージカル映画って私にとっては地雷なところがあって、音楽にハマれれば※2良いのですがハマらなかったり長いともう早く次の展開に行って欲しくて飽きてしまうんですよね。
ですがこの作品に関しては杞憂でした。壮大で格好いい曲に壮大すぎて可笑しみすら感じられる絵面。楽しい。
 
反対に前情報として聞いていた女性の尊厳みたいな要素は分からず、野暮なことを言うと、寧ろ勝手にタトゥー描くは闘う女が武装解除され綺麗になって恋に落ち、みたいなステレオタイプ的な流れ作るはで尊厳大事※3にしてないだろとは思いました。出てくる女性キャラクターは全員自分の意思が強くて魅力的なんですけどね。
戦闘シーンは見応えがあって300っぽいっていう意見もありましたが私はロードオブザリングを思い出しました。
そんなこんなで1はめっちゃいい所で終わるので、続きが気になって放置してたAmazon primeで「王の凱旋」レンタルしました!
 
 
1でどんなテンションかは分かっているのですがパワーアップした印象。
クライマックスの戦闘シーンは勿論、全体的な演出がコテコテで良い。
何かある毎に顔に風がブワっと掛かる感じとかバーフバリ(父)がデーヴァセーナ姫に向ける微笑みと破顔の中間みたいな表情とか。
あと基本的にこの作品、王位簒奪とか開戦とか暗殺計画とか暗殺計画がバレてるとか大仰な話題に事欠かないのに、誰かが一言一言発言するたびに目を剥いて驚愕の表情をするのがとても良いですね。
 
「誓いか尊厳か」のあたりは物語の展開として上手く作用して結構深いテーマでした。「セクハラ役人の指を切るか首を切るか」は知らずに観たらめちゃくちゃ衝撃&痛快だったろうけど知ってたからまあ普通に観ました。でもこのシーンについて知らなかったらそもそも観なかったかもしれないし。
 
巷では観終わったあと「バーフバリ!バーフバリ!王を讃えよ!」となるらしいですが個人的には同じくらい「シヴァガミ様万歳!」ですね。結構間違った事もしてるんですけどあの強さは讃えるしかない。
老年のデーヴァセーナ様の執念と目力も良いですが、シヴァガミ様の元々大きな目が剥きすぎて四白眼になっている所とか最高です。
 
でもこの作品、気力が有り余ってる休日の映画館で観るのが大正解よなあ。平日の23時から観るには長いし、せっかく上げたテンションも肉体疲労と相殺されて翌日のパフォーマンスには繋がらなかった。
これから公開される数少ない地域の皆さま、気になっているようなら是非映画館での視聴をお勧めします!
 
※1 今年の1月に、本人に無断でタトゥー彫って逮捕という刑事事件ありましたよね
※2 言うほどミュージカル映画を観ていないのですが多分アップテンポなら楽しめそう。アーティスト縛りがあると飽きそうですがマンマミーヤは面白かった。アクロス・ザ・ユニバースは映像綺麗で役者達も良かったけど所々ダレたのは多岐にわたる楽曲を無理矢理一本の映画に詰め込む事に無理があったからでしょうか。
全然ミュージカルじゃないけどストーリーを邪魔せず曲を効果的に使う作品は好きです。キングスマンとか。
※3 気になったのは主人公達の国の人々が比較的肌の色薄めの褐色系なのに対して、1で出て来る敵対国の人がみんな肌が黒かったんですよね。出典があるなら問題ない気もしますが、多民族国家のインドでこの描写は大丈夫?その他にも所々聞く人が聞いたら微妙そうなセリフがあったので、凄くポリコレ的に配慮されていると言う類の作品ではなさそうです。