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約8年ぶりにちゃんと聴いたThe Mirrazの曲が社会人脳に刺さるという話

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大学生の時、洋楽ロックばかり聴いていた私が例外的に聴いて、というかYouTubeで観ていたのが掲題のThe Mirraz(以下ミイラズ)というバンドでした。
 
丁度10年前くらいに突如UKロックシーンにArctic Monkeysというバンドが現れ、飛ぶ鳥を落とす勢いを体現していたのですが、ミイラズは有り体に言ってそのパクリバンドと揶揄されていました。バンド自体も影響を公言してたしネタにもしてましたし。
 
私自身は音楽的な事はよく分からず確かにだいぶ似てるなぁとは思いつつ普通に楽しんでいました。Fワードなどの粗野な表現も厭わず固有名詞多めかつ豊かな語彙に裏打ちされたシニカルで詳細な叙述、というとArctic Monkeysそのままな感じですが、言語も文化も違う日本向けに凄く良く翻案というかジャパナイズしているという印象でした。
 
その後私自身は就活や就職によって音楽自体を積極的に追わなくなり、ミイラズに関しても、メジャー行って独立しまたメジャー行って独立したとか、ボーカルの畠山さん以外メンバーが入れ替わり、なんかバンプとかラッドを参照しだしたらしいなどという話を風の噂※1に聞く程度になりました。Arctic Monkeysも活動休止したし。
 
ところがここ2.3年で仕事に少し余裕が出てきた事から、日本のロックにも興味が出てきてライブにも行くようになりました。元より首都圏以外の洋楽ファンは在宅ファンにならざるを得ない側面があるのですが、日本のバンドなら基本日本に居るし、国単位ではなく地域単位で近くまで来てくれます。そこでふとミイラズのライブにも行ってみようと思い立ったのが約半年前。
 
行ってみたら客層※2は古参っぽい雰囲気の人もいつつ大学生くらいの人もいて若々しい印象でした。パフォーマンスは安定していて良かったし、SEで時事ネタ曲流したり某青森県のフェスで女性に殴られた件※3もネタにしてくれたり、思ったより良い人そうで安心しました。
 
その後YouTubeで畠山さんが真面目に語っているインタビューを見て好感度爆上げし、その流れでアルバムRED JACKET※4を買ったのですが
 
何これ疲れた社会人の脳にめっちゃ刺さってくる…!!!
 
シニカルなところも残しつつ前向きでまっすぐな歌詞!字余り気味詰め込み系※5の曲が減ったからなのか素直に良いメロディーに意識がいく。端的にエモい。
 
もうArctic Monkeysとか全然関係なく良いぞ!
 
全体としてはアッパーで激しめな戦闘意欲を向上させる曲が多くを占め、月朝から聴きたい感じですが、印象的なのはChina dreamというミディアムテンポな曲で仕事帰りに聴きたくなります。
「仕事なんてちょちょいのちょいで」という歌詞とか就職して1.2年目だったらちょちょいのちょいで終わるわけなかろうと逆ギレしていたと思うのでマジで今のタイミングで良かった。今ならちょちょいのちょいに含まれる機微が分かるような気がします。
あとこの前漫画のBECKを読み終わったばかりなので、作中作のハッピー三国志※6が映像化されるとしたらテーマ曲はChina dreamが良いです。
 
アルバムとしては勝ち負けや成功/失敗(あるいは挑戦/失敗かも)といったテーマを打ち出した歌詞が多いように思います。
個人差はあるものの、働いていてそういうハッキリ明暗を分ける局面はそれ程ないと正直思いますが(毎日毎日プレゼンだとかガチめの価格交渉なんてあってたまるか)、喩えば、降って湧いたような無茶な要求を負けて飲んだ振りして適度な落とし所に持ち込んだり、詰んだと思ったら意外と別の方策でブレイクスルー出来たり、みたいな細かい勝ちを積み重ねていきたいですね。
 
「夢」とか「努力したら報われる」とか「絆」みたいな言葉をそのまま信じてなんの咀嚼もせず使う曲は合わないけど、毎日何かしらしょうもない闘いをしなければならない少し元気になりたい社会人の皆様にお勧めいたします。
 
 
※1 この辺りは全然情報を追えていないので時系列などテキトーです。すみません
※2 比較的ノリやすい踊りやすいカジュアルな服装の人が多い印象。モッシュやダイブなどの危険なノリはありませんでしたが比較的後ろの方まで拳を上げたり元気にノる人の多い一体感のあるスタイル。他バンドのライブで甘やかされた結果、謎のシューゲイザー的ノリしか出来ない身としては肩身が狭いですが、別に迷惑をかけない限り不快な思いはしません
※3 通称ミイラズ事件
※4 CDは全国流通ではなくバンド公式通販で購入出来ます。予約された数量+αで生産すると聞いたのですが予約してなくても買えました…先日のライブの物販に置いてあったので余剰分かも知れません。配信は別であります
※5 内容はともかく字余り詰め込み系の歌詞が特徴のバンド定期的に現れませんか?
※6 三国志、分かりません。作中作ハッピー三国志の元ネタとなった実在の漫画があるとも聞いたような