思念が奔逸中

情報発信の体裁で雑念のみ垂れ流します

メイク講座を受ける前後の雑感

私がされて嫌な事の一つに「化粧をしない人間に化粧の事をとやかく言われる」というものがあります。言われた対象が自分ではなくてもなんとなく嫌な気持ちがするものです。余程TPOに外れた化粧をしているのではない限り、ただ化粧をした顔を見るだけで化粧をする主体としての労力を知らない者が偉そうに口に出して評価をする、という構図が気に入りません。非常に拗らせていると自分でも思います。

 

 

先日、職場の都合で某社の社会人向けのメイク講座を受けました。

元々新入社員向けの講座だったのですが何故か20代の社員も参加する事になり行かざるを得なくなった、という経緯です。

行く前は嫌過ぎて周りの色々な女性に愚痴っていたのですが、面倒だという事は理解されてもめちゃくちゃな嫌がりようにはそれほど共感は得られませんでした。まあ面倒だけど数時間我慢すれば良いじゃん、もしかしたら有益な情報もあるかもしれないし、というわけです(実際ちゃんと受けましたよ)。

確かに有益な情報という点は同意できるのですが、おそらく私の中にある種の自負というか持論のようなものがあるから反発心が生まれたのだと思います。

それは「人の見た目はその人が選び取ってきたものだ」という考え方です。

私自身、特別メイクが上手いわけでもなければ、顔立ちが整っているわけでもありません。しかし、だからこそ大して恵まれていない容姿なりに確立してきたものがあります。

人は元々生まれ持った容姿と自身の性格やこうありたい・こう見られたいというイメージが得てして一致しないものです(完全に一致している人はめちゃくちゃ幸運だと思う)。

そのギャップをどのように埋めるか、どこまで元々の素材を生かすかというバランスや、どの方向性に見た目を寄せるか、という事はその人自身が選択してきた結果だと思うのです。メイクに限らず服装や髪型、さらに展開するとピアスやタトゥー、整形などの身体改変まで。もちろん、そういったものに労力を割かない、という選択も有りです(清潔感とTPOのみ配慮した服装に見える方でもとても有能で人格者な方を知っています)。

ご自身で化粧をされる方はご承知の事と思いますが、人の顔というものは千差万別です。肌質やパーツの形状、それらの色味、眉毛や睫毛の生え方、それらが異なる上に目指す方向性が異なれば、使うツールや取るべき方法も異なる事は自明だと思います。これは元の顔の条件や化粧後の顔がどのような印象を他者に与えるかという点だけでなく、単純に作業における機能面においても言える事です。各々の手の器用さに加え、顔の条件によって使いやすい・より効果の出やすいツールは異なってきます。

化粧を始める年齢に個人差はありますが、(新入社員と一緒にされて文句を言いたくなる年齢ですお察しください)子どもが小学校に入学したかと思ったら中学を卒業するかしないかという年月、他ならぬ自分の顔に化粧を施してきたわけです。足し算をしていたと思ったら因数分解、大きなかぶを読んでいたかと思ったら魯迅とかを読むようになった年月です!

とはいえ、敢えて大人が童話を読んで学びがあるように、せっかくプロが来てくれるのであれば学ぶ事も大いにあろう、という気持ちでメイク講座を受けて来ました。テーマの社会人向け=新入社員向けという点にミスマッチはありますが、各々の顔の条件の違いをどの程度対応してくるのか、という点にも大いに興味がありましたし。

(ここからが本題だと思われるかと思いますが、私の言いたいことは大体ここまでで書き終えました。)

(結局、化粧品某社や人事担当が悪い訳ではないのよ…)

 

受けてみた結果の感想 その他

・講師の方は親しみやすい印象。あくまでも社会人向け、特に新入社員向け、というテーマであるという前提でお話を進めて下さいました。

・メイクオフ、ベースメイク、ポイントメイクで1/3ずつ時間を割く構成

・女性のメイクやファッションなどのトレンドも教えていただけます。細かい年ごとのトレンドではなく数年単位のざっくりとした傾向ですが自分の体感ともそれほど乖離はありませんでした。

・化粧品の扱いなどは初めて知ることも多々あり参考になりました。

・下地、ファンデーション、チーク、リップ、アイカラー、アイライナー、アイブロウは色が選べるのである程度自分に合ったものを選ぶ余地がありました。一方いつもやっている工程や使っているアイテムが無い場合は諦めざるを得ません。

 

全体の総括として

ポイントメイクなどは自由度のある構成だったので、ある程度いつも自分がしている化粧に寄せることが出来ます。

ただ、前述したように作業する工程が限られているので、個人差もありますが結構物足りなく感じる事もありそうです(社会人向けなので付けまつ毛とかは敢えて省いているのでしょうが)。

またベースメイク系も種類があるとはいえ、肌質や肌色に合う合わないがあるので、若干の違和感が出る可能性もあります。

上記のことから総じて言えることは、メイク講座を受けた直後ではなく、翌日からの自宅でのメイクからが本番という事です。

翌日自分の使っているファンデーションで、習ったような方法のベースメイクをしたら化粧ノリが若干良くなったような気がしなくもないような…?

使い慣れたアイテムを用い、講座で聞いた話を元にしながらも、こだわりのある工程は自分に適した方法を加えながら施すことで、学んだ効果がわかるのではないでしょうか。