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お盆読書

普段なかなか読書の時間が取れない為、帰省のまとまって時間が取れる際に読むようにしています。とはいえたくさん本を持ち歩くのも大変で、実家にあるものを読む結果時代小説に偏りがちではあります。

という訳で、今年のお盆期間に読んだ3冊をレビュー!

 

 

川あかり (双葉文庫)

川あかり (双葉文庫)

 

 

葉室さんの訃報の後に初めて読む作品。しみじみとした人情ものらしさもありながら、陰謀や人の嫌な面もしっかり書かれていて、軽すぎない読み応えがあります。

 

 

銀二貫 (幻冬舎時代小説文庫)

銀二貫 (幻冬舎時代小説文庫)

 

 高田さんの小説は初めて読みます。タイトルがシリーズ化された所謂時代小説らしくて渋い。「みをつくし料理帖」と同じ作者ですがこういったタイトルのものもあるんですね。正直千鳥ノブの「イカ2貫!」のツッコミが頭を離れなかった。

銀二貫が物語の始まりであり、物語の要所要所でこの金額が出てきます。銀二貫の遣い道、もちろん(当初の予定・番頭もこだわったように)神仏に寄進でも良いんだけど、毎回凄く効いています。私も銀二貫みたいな大金は無理でも、日々生きたお金の遣い方をしたいなぁ。

正直結末は予定調和ですがそこを外されても困る気がします。かといって全員が大団円という訳でもなく、時が流れるにつれて人間関係も入れ替わり立ち替わり変化があるのがリアルです。

 

 

 

短編集だし軽めに読みたいと思って手に取った本。夏だし怪談でもという思い付きでしたがとても良かった。ちょうどお盆の時期に合う話だったり、複数話に戦争のエピソードが入っていたり、とてもタイムリーで感慨深く読みました。不気味で空恐ろしい話もあるけれどあまりドロドロとした因縁話はなく、ホラーというより幽霊譚、といった印象。最後に収録された対談を読むと、浅田次郎さんの実体験を下敷きにした話もあるらしく、元々私は浅田次郎さんは職業作家として作品を量産しているイメージがあったので意外で興味深かったです。