思念が奔逸中

情報発信の体裁で雑念のみ垂れ流します

コロナ禍の下での生活史2

4月25日

 「コロナ禍が落ち着いたら呑みに行こう」という半ばフラグじみた台詞が合言葉の様になって久しいが、今日初めてオンライン飲みの約束が出来た。おそらくLINEのビデオ通話になると思う。とはいえこれはゴールデンウィークに帰省出来ない代わりの案なのでまだ先の事。

 一週間前に購入した青いレースフラワーが白く脱色し出した。萎れている様子はない。レースフラワーというのはてっきり白いものなのかと思っていたが違うらしい。色々と見た事のない花だと思って店員に名前を聞くと既に知っている名前だったりするので面白い。

 2日ぶりに外出する。徒歩の方が好きだが複数箇所用事がある為効率を考え自転車にする。公園の前を通りかかったら人がいたが子どもというより少し上の若者が多いようだった。その為か一見ソーシャルディスタンスを取れている様に見えなくもなかった。

 今日はとりあえず八十八ヶ所巡礼のライブ音源の振り込みができて良かった。

 せっかく自転車で出かけたのでリカーマウンテンに寄った。やはりレジにはビニールカーテンが吊るされ列の待つ位置も距離が取れるよう印が付けられていて徹底されていた。99.99のグレープフルーツ味が美味しかった。

 帰ってからアマプラで「嘘八百」を観た。序盤少しダレた気がしたが面白かった。最近は心が疲れているのか観る映画も選ぶようになった。暗くて深く考え込ませるようなものとか、明るくハッピーだとしてもジェットコースターすぎてハラハラするものが受け付けなくなってきている気がする。昨日見た韓国映画の「シークレットミッション」は結構重い要素があったり激しいアクションもあるが、完全に別世界の物語という感じもありしんどくなかった。

 先程the twentiesが自宅でそれぞれ収録した物を合わせたデモ音源をYouTubeに公開した。コロナの状況下での適応を感じる。それはそれとして曲はなんとなくこの前の音源っぽく聴きやすい感もありつつテンポが速く少し渋くて格好いい感じだと思った。

 

4月26日

 新型コロナの情報を入れようとネットやテレビに接続してみるがやはり摂取しすぎは良くないと感じる。とにかく今は自分が仮に罹っていたとして誰かに感染させないように、そして新たに自分が誰かから感染させられないように人との接触を減らすしかないという気持ちを新たにする。

 今日は日曜日で仕事もないし昼から飲酒する事にする。簡単なアテを作り、出来合いのものもきちんと皿に盛り付けるとていねいなくらし、とやらが出来ている気分になってくる。

 最近はコロナの影響で撮影が行われていない影響で、通常の予定通りに放映されているドラマが少なくなっている。数少ない新ドラマの、浜崎あゆみの自伝小説をもとにしたドラマが録画でうっかり録れていたので観ている。ツッコミどころしかなくて面白い。

 その後面白いと聞いた映画「ユージュアル・サスペクツ」を観た。1995年の作品なので画面全体に昔の映画という趣を感じた。1時間40分程度のはずだがなんとなく話のテンポが遅く感じ2時間近くあるように思われた。特に推理も予想もしておらずそれほど集中出来てもいなかったが話の展開は結構あるなと思った。昔の映画あるあるの変な設定でしょ?と思っていたところが伏線だったのでそこは素直に感心した。

 今日の気づきは入浴中にDie Antwoordを聴くと退屈しないけれど絶妙に不安感に苛まれるという事だ。

 

4月27日

 本日も在宅勤務。午前中は比較的に根を詰めて事務作業を行った。自宅マンションのどこかにDIYが好きな人がいるのか、時々トンカチを打ち付けるような音が聞こえてくるときがあるのだが、今日も聞こえてきた。

 注文していたスウェットがレターパック(赤)で届いた。インターホン越しの人物は郵便局員の様に見えたが、レターパックで来る想定をしていなかった為不審に思い送り先を尋ねると、局員のおじさんから推しバンドの名前が告げられた。横文字のバンド名のみの記載だったのでおじさんは何の団体か分からず読んだのだろうと思うと何故か少しだけ申し訳ない気持ちと愉快な気持ちになった。

 しかし先日は、押し売り系と思われる業者が支離滅裂な事を騙って来たのでそのくらいの用心は仕方ないと思う。新型コロナウイルスの情勢に乗じて詐欺紛いや泥棒が増えているらしいので人間の人間性…という気持ちになる。

 午後は多少ゆったりと仕事ができた。暫く在宅を続けていると急遽必要になった資料にアクセスが出来ず、出勤者にお願いする事も増えてくる。また遠隔でのやり取りは気を遣うが、「別に怒ってないけど今後気を付けて欲しい」的な注意をするのはより一層難しいと感じる。

 

4月28日

 在宅勤務になると、これまで比較的午前は暇で午後がメイン稼働の働き方から、午前からすぐに稼働する働き方に変わってきている気がする。現在の仕事が事務作業とメールのやり取りで占められる為、午前からバリバリとタスクを片付ける様になるし、出勤時間がない為「午前はエンジンをかける時間」みたいな余計な意識がなくスムーズに仕事に入れる。もしかしたら通常よりコロナで仕事量や納期自体が緩やかになったり、世間話のようなバッファみたいな時間がなくなり作業が効率化されているので、前日に行なった作業が朝一で私に提出されてきているのかも知れない。しかし勤務場所が自宅だろうとオフィスだろうと業務上でイラつく事があると変わらずイラつくんだなと改めて思ったりした。

 昨日から、積読になっていた原田マハ氏の「サロメ」を読み出したが、比較的長くなくリーダビリティがあるので既に読了してしまった。原田マハ氏の美術系の小説は好きだがこれまではその中で扱われる画家にはあまり馴染みがなかったり特別興味を持ったことの無かったりした。今回ビアズリーオスカー・ワイルドには元々関心があったので喜び勇んで購入した記憶がある。関心があったもののビアズリーの人となりは全く知識がなかったので非常に面白かった。これまでの原田マハ作品は最後に一筋の希望が持てるような暖かみが残る読後感が印象的だったが、題材だけにそうはならなかった。個人的にこういうダーク系は読み慣れているせいかハードルが上がってしまうのと、この作家は現代パートが魅力的なのでもう少しそちらに割いても良かったのでは(でも構造的にというか狙った効果的には今の感じがいいのか)などと色々思ってしまった。以前にワイルドのサロメを読んだ時は、表面的に文字面を読んだだけになってしまったのか、ビアズリーのあの禍々しいイラスト通りの話を期待したら意外と本文の表現はアッサリで拍子抜けした記憶がある。その割に日夏耿之介訳に拘っていた気もするけど多分日夏訳だと完全に別物というか物語として理解出来ていなかったと思うので多分福田恆存訳だったのであろう。原田マハの小説「サロメ」を読んで今一度読み返したい気持ちを持ちつつ、案外小説に書いてあるようにビアズリーの絵がワイルドの文章を食ってしまったという印象は強ち間違ってはいなかったのでは、とも思っている。そういえば数年前の「怖い絵」展で二日酔いだか逃亡前だかのオスカーワイルドみたいな絵を見た気がしたのだが、今日調べてみても分からなかった。同展にあったビアズリー本人が描かれている、チャールズ・シムズ《ワインをたらふく飲む僕と君にこれらが何だというのだ》はヒットしたが思っている作品ではなかった。

 

4月29日 昭和の日

 昨日映画版の空飛ぶタイヤを観た。コロナ禍が始まって以来これまでプライムビデオで色々映画を観ていたがその中で一番自分の中でヒットした。色々と感想はTwitterで垂れ流してしまったが、特に言いたい点を箇条書きにしてみる。

・池井戸作品のテレビドラマにありがちな(いい意味での)トンチキ感が皆無で骨太な印象。

・台詞が少ない役でも結構知名度のある良い俳優が起用されていて良い。

・ドラマ版を観ていないので比較は出来ないが、ドラマ版を観た人が感じているらしい違和感は特に無く、むしろ一人一人の配役が小説のイメージと合っていて(勿論映像化にあたってキャラクター性を誇張したりより華やかな人物が配役されている事を考慮しても)とても行き届いている感じがした。

・一人一人挙げているとキリがないから止めるが、佐々木蔵之介は大抵主役か、脇役でもシュッとしたイメージの役柄で観ることが多いが、ポイントとなる役柄とはいえ富山弁(?)バリバリのイケてる感皆無の中年会社員を演じているのは新鮮かつ違和感なくとても良かった。

 4日ぶりに外出した。ドラッグストアでポンプ式のハンドソープまで売り切れていて驚く。帰宅してひるおびを見ると秋学期からの始まりの議論が報じられていた。この話題が出てきたのは最近だ。昼過ぎからは医療SFドラマの仁が再放送されたので観た。リアルタイムの放映でも毎週楽しみにしていたと思うが、それが10年以上前だという事で驚いた。この時期でコロリ=コレラを扱った回から始まっており、この情勢で再放送する狙いというか意義に思いを馳せた。

 夕方から飲みだしたが、今日は餃子の皮を使って、最近SNSやWEB広告で断片的に見るレシピを発想の元にし酒の肴を作った。一つは皮の上に蛍烏賊と名古屋名物「つけて味噌かけて味噌」とチーズ、七味をかけたもの。元々赤出汁やコクのある八丁味噌が好きなので良かった。もう一つは餃子の皮にちょうど売っていた鰤と紫蘇を粗めの微塵切りにし包んだもの。先日文豪コロッケ(私命名、鱈とじゃがいもその他をコロッケもしくは私の判断により多めの油でハンバーグ状にしたもの、檀流クッキングに載ってたレシピに勝手にインスパイアされたもの)を使ってみるなど、最近自宅での引きこもり生活が続き、やたらと白身魚を細切れにした料理を作りがちである。

 緊急事態宣言は当初5/6までの予定であったが期間が延長されるようだ。それ自体は何となく予想が出来ていたが、大型連休中に勤務体系がどうなるか決定される可能性もありそうで気にかかる。検討段階のようだが、地域によっての段階的解除などになれば余計に複雑な対応になりそうだ。

 

4月30日 

 会社に行く用事があり約一週間ぶりに出社した。月末という事もあり思いの外、人が多かった。当社ではソーシャルディスタンスを保つ為に座席を離したり一部の者がコロナ対策用に開放された別室に移動する試みがされているのだが、初めて別室移動組となった。必要な資料や設備が離れた所にあったりして若干不便ではあるが静かで集中しやすかった。必要な仕事が終わったら帰宅しようと思っていたが、一度来てしまうと断続的にすべき事は降ってくるので、移動の時間が惜しく結局定時までオフィスに居る事となった。久しぶりの出社でスプリングコートを着て来てしまい失敗かと思われたが夜は少し肌寒くちょうどよかった。通勤服と私服はアイテムが異なるのでコロナ禍でちょうど衣替えの機会を逸してしまった感がある。

 

5月1日

 今日は午後から出勤した。出勤すると人と顔を合わせられるので、「改まって電話やメールで打診するより会って世間話の延長で相談しつつ流れで」アサイン出来る案件があるなと思うなどしている。所々一瞬暇だと錯覚する時間があれどサクサク仕事をして定時に退社する。政府からの緊急事態宣言の延長は5月4日に正式発表されるらしい。結局本日中に連休明けの当社の対応が決められる事はなかった。

 暇だと錯覚する瞬間にスマホを触ってみるけれど、ここ最近はこれまで少し疎遠だった友人と連絡を取ってみたりしている。色々な勤務形態の友人がいるなとそれぞれの状況に思いを馳せたり、殆どInstagramを更新しなかったスタンスの友人が流石に時間があるのか新たな投稿をし、それにすかさず良いねを押したりしている。(それは果たして「良いね」なのか)

 推しバンドである八十八ヶ所巡礼がいよいよサブスク配信に乗り出したらしい。今日が八十八夜、という事で全く行き届いて粋である。TikTokも配信先に含まれているらしいのは意外性があった。私はTikTokについて微塵も知らないのだけど。

 明日から本格的にゴールデンウィーク、大型連休である。元々家にいるのは苦にならないタイプではあるけれど5日間どうなることやら。どうにか自宅での楽しみを持続させたいものである。