思念が奔逸中

情報発信の体裁で雑念のみ垂れ流します

コロナ禍の下での生活史4

5月9日

 5日ぶりくらいにスーパーに行った。帰りに3週間ぶりに新しい花を購入した。いつもと違う雰囲気のものを買いたいと思いつつ、どうしても自分の好みに寄ってしまう。自宅に居ることも多くコロナ不安で疲れてきてもいたので、今回は好きな色味でもパキッとした発色の華やかなものを中心にした。植物というのは全部ボタニカルだけど自分の中にボタニカル感という概念があり少し考えてみたところ、華やかで格調を感じるというか、生けた時に人の作為やなんらかの文化っぽさを感じるものはボタニカル感が少ないのだろうと結論付けた。今回はあんまりボタニカル感はない。

 ここに来て平沢進の楽曲を聴き出した。なんというかそこまで大衆的じゃないけど大御所の人が作り出すコンテンツに今更手を出しづらいという意識があるのだけど皆様はどうですか。めちゃくちゃメジャー路線のもので満足出来ない癖に、同時代的なものが好きでルーツや系譜を遡って興味を深掘りするタイプではないので、所謂モグリと言われてしまうのではないかと無駄に身構え敢えて手を出さないみたいなところがある。「救済の技法」がとても格好良かったので早く聴けばよかったと思ったけど、若い時分に聴いても良さが分からなかったかも知れないので、あんまりマウンティングとか無くみんな何でも好きなタイミングでフラットにコンテンツに手を出せばよいのにとも思った。この手のものでなんとなく履修を避けているのは寺山修司だが、これは昔読んだなんかの小説で一人称の女性が彼氏だかに「君は何にも知らないんだね」と言われつつ寺山修司をはじめとするカルチャーっぽいことを教えてもらったというエピソードがあり、何となくイメージが悪くなってしまった。その小説が何だったかも覚えていないし別に寺山修司は悪くない。マウンティングよくない。

 

 5月10日

 コロナ禍の中、「検察庁法改正案に抗議します」というハッシュタグSNS上で話題となったので色々と情報収集をした。匿名のアカウントの様々な意見や、それに派生して別の紛糾を見たり、色々な角度の記事を読んだ※。街にも出掛けられないし、メディアを通しての街の様子を見るのも疲れてきたので書を読むことにした。先日から澤田瞳子氏の「日輪の賦」を読んでいたがここに来て弾みがつき一気に読んでしまった。持統天皇あたりの律令国家を確立する時代の物語だが、権力の中枢でドロドロもありつつ主人公に若者が据えられ青春譚的な感もあった。現代で中央集権体制が良いかどうかは別問題だし、そもそも倫理観や価値観、国際情勢も違う時代という事もあり程良い距離感で読めたのも良かった。漠然と良い世の中にしたいなと思える読後感だった。

 

 5月11日

 普通に会社に用事があったので朝から出社した。急転直下の如く翌日から通常勤務ということになり驚いた。コロナなどないかのような時間まで残業し、帰宅後料理したら力付きた。私などまだ相対的には気楽なほうの立場だが、時間にゆとりがあるから出来る方向性のリフレッシュはしづらくなりそうなので、何か自分の機嫌を取る方法を考えたい。

 

5月12日

 昨日に引き続き朝から出社した。全員ではないにせよ、自分よりも在宅勤務に親和性の高いメンバーも続々と通常勤務に戻ってきた。

 聞いた話では役所での10万円の給付金を受け取る為のマイナンバーカードを作る為の手続きで5時間待ちになっているところがあるらしい。いくら離れて座っていてもあまり良い環境とは思えないし単に待っているだけで具合が悪くなりそうである。本当に早く給付金を手に入れたい人のみが並んでいてくれる事を願っている。

 

5月13日

 今月末で営業を終了する予定だった河原町のマルイが、コロナによる営業自粛を経て前倒しでそのまま閉店したらしい。仮に緊急事態宣言が解除されて半月営業したとしても大々的な集客活動は難しかっただろうけれど、呆気なかったなという印象を持った。とはいえそれほどマルイに用のある人間ではなかったので嘆くほどの資格は無い。

 朝のニュース番組ではコロナに感染し退院した人への差別が報じられていた。職場やSNS、通りすがりに会話を聞いた人物からの捨て台詞など多岐に亘った形があった。罹患したフリーアナウンサーのフェーズごと折々の発信が好意的に報じられ、WEB上でも罹患者の体験記が有意義なものとしてシェアされる一方、こんな現実もあると思い知らされた気分だ。

 イギリスでコロナ罹患を自称する人物から飛沫を浴びせられた駅員が感染し亡くなったという記事は怒りとやらせなさを感じたし、オンライン飲み会の存在に興味を持った年配の上司が暴走し迷惑を被る事例の記事には世知辛い世の中だと思った。以前から懸念されていた、自宅にいる時間が増える事によりDVや児童虐待も増加するという問題があるが、今日初めてコロナ下で在宅勤務をした事により気付き児相に通報したという具体的な例を見た。また、現在客足が途絶えたホテル側と、医療従事者をはじめとした家族への感染に不安のある人や家庭でのDVや不和のある人をマッチングした事業についての新聞記事を読み世知辛くない事も存在するなとも思った。

 

5月14日

 国の緊急事態宣言は39県で解除されたが、京阪神の3府県は解除されなかった。地方自治体としては16日に自粛要請を解除するらしい。経済の問題もあるが、既に武漢や韓国にも来ているように、いきなり全員が解放されたと思い我慢をしていた事を解禁するようであれば第2波を招きそうで怖い。

 

5月15日

 国の声明の翌日だったが、自宅と職場にしかいなかったので人出が増えているかどうかはよく分からなかった。明日の土日に人出が増えてしまうのだろうか。

 夏の甲子園が中止の方向で動いているらしい。夜にはアパレル大手のレナウン経営破綻の情報を知った。レナウンがライセンス契約をしているとはっきり認識していたのはアクアスキュータムのみで、それ以外はなんとなく存在を知っている程度のブランド、知らないブランドが多く、諸々記事を読む限り元々経営状況が悪い中コロナがダメ押しをした形のようだ。

 以前注文したロシア料理ロゴスキーの商品の不在伝票が届いていたので明日受け取る事にする。久しぶりの平日5日間フルでオフィス勤務をしかなり疲れてしまった。6月は祝日がないので徐々に慣らさないといけない。これからは出口戦略、withコロナなどと言われているが、美味しい食料が明日届くので、無駄に外出せずひとまず体力を回復し免疫力を高める事に専念したい。

 

※この件以降にも政治の場面で色々と取り沙汰されたけど、個人的に面白かったのはワニの動画を観ていたクダリですね。それはそれとして、こういう党派性が強めのイシューに限らず「オープンに話そう!」みたいな風潮に(勝手に)圧力を感じ(た気分にな)る時があるのだが、こういうのは時代遅れになるんだろうなというのも昨今感じている。今回著名人が意見の内容ではなく意見の表明そのものに反対されたり、職業でマウントをとられたりしたのは、普段発言していない=何も考えてないという事にされる、という事の証左とはいえ明確に立場を決められるイシューについては生活の雑感の延長線上でガンガン言ってる気もするのでダブスタだと思う。)