思念が奔逸中

情報発信の体裁で雑念のみ垂れ流します

コロナ禍の下での生活史4

5月9日

 5日ぶりくらいにスーパーに行った。帰りに3週間ぶりに新しい花を購入した。いつもと違う雰囲気のものを買いたいと思いつつ、どうしても自分の好みに寄ってしまう。自宅に居ることも多くコロナ不安で疲れてきてもいたので、今回は好きな色味でもパキッとした発色の華やかなものを中心にした。植物というのは全部ボタニカルだけど自分の中にボタニカル感という概念があり少し考えてみたところ、華やかで格調を感じるというか、生けた時に人の作為やなんらかの文化っぽさを感じるものはボタニカル感が少ないのだろうと結論付けた。今回はあんまりボタニカル感はない。

 ここに来て平沢進の楽曲を聴き出した。なんというかそこまで大衆的じゃないけど大御所の人が作り出すコンテンツに今更手を出しづらいという意識があるのだけど皆様はどうですか。めちゃくちゃメジャー路線のもので満足出来ない癖に、同時代的なものが好きでルーツや系譜を遡って興味を深掘りするタイプではないので、所謂モグリと言われてしまうのではないかと無駄に身構え敢えて手を出さないみたいなところがある。「救済の技法」がとても格好良かったので早く聴けばよかったと思ったけど、若い時分に聴いても良さが分からなかったかも知れないので、あんまりマウンティングとか無くみんな何でも好きなタイミングでフラットにコンテンツに手を出せばよいのにとも思った。この手のものでなんとなく履修を避けているのは寺山修司だが、これは昔読んだなんかの小説で一人称の女性が彼氏だかに「君は何にも知らないんだね」と言われつつ寺山修司をはじめとするカルチャーっぽいことを教えてもらったというエピソードがあり、何となくイメージが悪くなってしまった。その小説が何だったかも覚えていないし別に寺山修司は悪くない。マウンティングよくない。

 

 5月10日

 コロナ禍の中、「検察庁法改正案に抗議します」というハッシュタグSNS上で話題となったので色々と情報収集をした。匿名のアカウントの様々な意見や、それに派生して別の紛糾を見たり、色々な角度の記事を読んだ※。街にも出掛けられないし、メディアを通しての街の様子を見るのも疲れてきたので書を読むことにした。先日から澤田瞳子氏の「日輪の賦」を読んでいたがここに来て弾みがつき一気に読んでしまった。持統天皇あたりの律令国家を確立する時代の物語だが、権力の中枢でドロドロもありつつ主人公に若者が据えられ青春譚的な感もあった。現代で中央集権体制が良いかどうかは別問題だし、そもそも倫理観や価値観、国際情勢も違う時代という事もあり程良い距離感で読めたのも良かった。漠然と良い世の中にしたいなと思える読後感だった。

 

 5月11日

 普通に会社に用事があったので朝から出社した。急転直下の如く翌日から通常勤務ということになり驚いた。コロナなどないかのような時間まで残業し、帰宅後料理したら力付きた。私などまだ相対的には気楽なほうの立場だが、時間にゆとりがあるから出来る方向性のリフレッシュはしづらくなりそうなので、何か自分の機嫌を取る方法を考えたい。

 

5月12日

 昨日に引き続き朝から出社した。全員ではないにせよ、自分よりも在宅勤務に親和性の高いメンバーも続々と通常勤務に戻ってきた。

 聞いた話では役所での10万円の給付金を受け取る為のマイナンバーカードを作る為の手続きで5時間待ちになっているところがあるらしい。いくら離れて座っていてもあまり良い環境とは思えないし単に待っているだけで具合が悪くなりそうである。本当に早く給付金を手に入れたい人のみが並んでいてくれる事を願っている。

 

5月13日

 今月末で営業を終了する予定だった河原町のマルイが、コロナによる営業自粛を経て前倒しでそのまま閉店したらしい。仮に緊急事態宣言が解除されて半月営業したとしても大々的な集客活動は難しかっただろうけれど、呆気なかったなという印象を持った。とはいえそれほどマルイに用のある人間ではなかったので嘆くほどの資格は無い。

 朝のニュース番組ではコロナに感染し退院した人への差別が報じられていた。職場やSNS、通りすがりに会話を聞いた人物からの捨て台詞など多岐に亘った形があった。罹患したフリーアナウンサーのフェーズごと折々の発信が好意的に報じられ、WEB上でも罹患者の体験記が有意義なものとしてシェアされる一方、こんな現実もあると思い知らされた気分だ。

 イギリスでコロナ罹患を自称する人物から飛沫を浴びせられた駅員が感染し亡くなったという記事は怒りとやらせなさを感じたし、オンライン飲み会の存在に興味を持った年配の上司が暴走し迷惑を被る事例の記事には世知辛い世の中だと思った。以前から懸念されていた、自宅にいる時間が増える事によりDVや児童虐待も増加するという問題があるが、今日初めてコロナ下で在宅勤務をした事により気付き児相に通報したという具体的な例を見た。また、現在客足が途絶えたホテル側と、医療従事者をはじめとした家族への感染に不安のある人や家庭でのDVや不和のある人をマッチングした事業についての新聞記事を読み世知辛くない事も存在するなとも思った。

 

5月14日

 国の緊急事態宣言は39県で解除されたが、京阪神の3府県は解除されなかった。地方自治体としては16日に自粛要請を解除するらしい。経済の問題もあるが、既に武漢や韓国にも来ているように、いきなり全員が解放されたと思い我慢をしていた事を解禁するようであれば第2波を招きそうで怖い。

 

5月15日

 国の声明の翌日だったが、自宅と職場にしかいなかったので人出が増えているかどうかはよく分からなかった。明日の土日に人出が増えてしまうのだろうか。

 夏の甲子園が中止の方向で動いているらしい。夜にはアパレル大手のレナウン経営破綻の情報を知った。レナウンがライセンス契約をしているとはっきり認識していたのはアクアスキュータムのみで、それ以外はなんとなく存在を知っている程度のブランド、知らないブランドが多く、諸々記事を読む限り元々経営状況が悪い中コロナがダメ押しをした形のようだ。

 以前注文したロシア料理ロゴスキーの商品の不在伝票が届いていたので明日受け取る事にする。久しぶりの平日5日間フルでオフィス勤務をしかなり疲れてしまった。6月は祝日がないので徐々に慣らさないといけない。これからは出口戦略、withコロナなどと言われているが、美味しい食料が明日届くので、無駄に外出せずひとまず体力を回復し免疫力を高める事に専念したい。

 

※この件以降にも政治の場面で色々と取り沙汰されたけど、個人的に面白かったのはワニの動画を観ていたクダリですね。それはそれとして、こういう党派性が強めのイシューに限らず「オープンに話そう!」みたいな風潮に(勝手に)圧力を感じ(た気分にな)る時があるのだが、こういうのは時代遅れになるんだろうなというのも昨今感じている。今回著名人が意見の内容ではなく意見の表明そのものに反対されたり、職業でマウントをとられたりしたのは、普段発言していない=何も考えてないという事にされる、という事の証左とはいえ明確に立場を決められるイシューについては生活の雑感の延長線上でガンガン言ってる気もするのでダブスタだと思う。)

コロナ禍の下での生活史3

5月2日

 今日から5日間外出の予定がない連休が始まった。最近は休日でも平日の起床時間と同じくらいの時刻に目覚めてしまう。加齢を感じる。

 本当に予定がなく、食糧を買い込んでいるとはいえ5日間が果てしないので以前SNSで流れてきたお取り寄せ紹介の中で気になっていたロシア料理を購入する事にした。

 

papapico.hatenablog.com

「おうちセット」が上記の記事でお勧めされていたが、冷凍とはいえそんなに食べないかもしれないので気になるもののみピックアップして購入する事にした。また、追加で推されている「ウズベク風ラム肉の辛口ピラフ」も美味しそうなので注文する。全ての商品が10%オフなので口に合うか不安なものを避けつつ損した気分にもならず購入できてありがたい。ところが注文してみると、発送は連休を過ぎてからになるとのこと、当てが外れてしまったが、おそらく延長されるであろう緊急事態宣言期間内には届くようなので先の楽しみとする。

 二週間前の生花を枯れたものを選り分けながら別の花器に入れ替える作業をした。こういう作業は集中出来て良い。枝物にはサントリーウイスキー角の容器がちょうど良い。口の部分が狭く、その下が大きく寸胴で安定するからだ。

 その後は録画した深夜番組を消化したり動画を見たりと比較的無為に過ごした。すゑひろがりずのゲーム実況動画はゲームを全くやらない私でも面白かった。個人的にはどうぶつの森(けもの共の藪)よりバイオハザードの方が面白いと思った。

動画の存在を教えてくれたブログは下記のもの。

 

sugaya03.hatenablog.jp

 

5月3日

 昨晩、というか日付が変わって本日ではあったが、深夜に推しが出演するというラジオ番組の途中で寝落ちてしまったので、朝食兼昼食を摂りながらラジコのタイムフリーで聴き直した。換気中の窓辺で曇天を眺めながら飲むビールは乙なもんだななどいうひと時を過ごした後家事を済ませた。

 航空会社はコロナでどこも大変だ、そういえばルフトハンザの件はどうなったっけ?などとSNSで情報を摂取した気分になりつつ、仁の再放送を観ていた。仁の再放送をあんなに楽しみにしていたのに、伴名練の「ひかりより速く、ゆるやかに」(「なめらかな世界と、その敵」に収録)を再読したくなり結局は読書の傍ら横目で観る感じになった。

 「ひかりよりー」は担当編集者の方の発信によれば「最大瞬間風速」を狙った作品という事で、初回に読んだ時もその表現に頷いたが、コロナ禍の渦中においてそれを再認識している。私は「ポスト震災文学」というのが何を指すのかよく分かっていないが、同作はなんらかの有事の際に起きる社会や個人の事象やそこで露わになる市民個人の生活がよく描かれている点でおそらくそうなのだろうと思っている(いた、というか「ポスト震災文学」なる単語をこの作品に絡めた言説で聞いたのは再読時のタイミングなんだけど)。現実世界の固有名詞やいかにもありそうな細かい設定が非常にリアルだったからだ。

 同作に於ける災害(で良いんだよね)は現実には起こり得ないのだが、有事全般で起きそうな描写云々を差し引き、新型コロナウイルス発生によって今起きている事象と比べても共通する部分があり、もはやポスト震災文学ではないのではないかという気もする。2019年において「最大瞬間風速」を達成し、且つ結果的にギリギリのタイミングで発行された同作。確かにコロナ以降には書かれ得なかった物語だし、コロナ禍を予言したような内容でも全くないけれど、コロナ以降に古びる話ではないと思う。

 作中では原因を探る中に何をもって文明とするかいうキーワードがあったと思うのだけど、現実のコロナ禍ではそれこそテレワークや娯楽のメディア配信などめちゃくちゃ文明してるので、作中世界その辺どうなの?という気づきもあったが、あのような類の作品に野暮な質問だろうとも思う。

当該作品の試読版はこちら。

www.hayakawabooks.com

当該作品を含む当サイトのブックレビュー記事はこちら。

 

malily7.hatenablog.com

 

 予てより約束していたオンライン飲みというのを初めて行った。一応自分用にそれらしい肴を用意し、決まった時間に通話を開始した。グループではなく、帰省する場合に会う予定だった友人一人なので、近況報告や雑談をするだけなのだが、非常に楽しかった。

 

5月4日

 政府から緊急事態宣言の延長が5月31日までとの発表があった。ただ5月14日の時点で一度専門家と協議し解除の可能性があるとの事。また政府の専門家会議から「新しい生活様式」が提言された。これはこれまで政府や自治体が言ってきた「行動変容」にあたる内容のように思うが、ネーミングからなのか内容が細かいからなのか一部で反発が起きているようだ。政府の発表を受けて大相撲の夏場所は開催が中止されるそうだ。

 今日もまた別の友人もオンライン飲みを行った。昨日は充電が切れるのを期にお開きとなったが、今日は話が弾み長引いてしまったので今度から予め時間を決めて行うことになった。

 オンライン通話をしていて気が付かなかったがその時間に茨城県と千葉県で震度4の地震が起きていた。当たり前のことをだが地震は人間の状況に関係なく起こるし災害は重なる時があるなと実感した。

 

5月5日

 「平熱ではないが37.5度には至らない微熱が数日続く」という症状の話を偶然2例聞いた。単に目にしただけなので詳細は不明だが、微熱以外はまったく症状がなく元気、もしくはなんとなく体調が悪いなどとばらつきがあるものの、咳や味覚・嗅覚障害などの典型的な症状が無いというのは共通するようだ。少し前に知人も同じような症状があり暫く会社を休んだとの事だった。その時は新型コロナ感染だけでなく疲れや季節の変わり目、心因的なストレスなど様々な要因が考えられるなと個人的に思っていたが、耳にする症例が増えてくると兆候の一つかもしれないという気もしてくる。幸い知人はすぐ軽快したようだが、症状が急変する場合もあるから心配だ。

 暇だ暇だと言っていたがもう連休も後半。今日もオンライン通話をしたが、その時間に合わせて簡単な料理をしたりと準備をするので生活にリズムが出来て結果的に良かった。

 

5月6日

 また夜中に関東で地震があったようで心配だ。最近の世の中の動向でいうと米国のゴールドジムが破綻したらしい。日本の店舗とは関係がないようだが、また知名度の高い企業が破綻してしまった。先日から、新型コロナウイルス感染拡大の観点で非常識な行動をとった感染者の個人特定やバッシングが起きていたが、無関係な企業がその感染者の勤務先として挙げられていたことが分かった。昨年は煽り運転動画の同乗者とされる人物を特定しようとし無関係な人物がネット上に拡散されてしまう件があったが、似たような事は繰り返されるのだなと思った。

 今日は、明日の仕事に備え少しメールをした後、動画を見たりWEB漫画を読んだりした。また、澤田瞳子氏の時代小説「日輪の賦」を読み出した。まだ序盤だが好きな時代を扱っていることもあり面白く読んでいる。先程はWEB上で小川一水氏のSF小説「天冥の標」が2巻まで無料ダウンロード出来ることを、期限が切れる一時間前に知り急いでダウンロードした。これでKindleデビューである。Kindleに興味はあったもののこのようになし崩し的に手を出す事になるとは思っていなかった。小川一水氏の作品はアンソロジーに収録されている短編を読んだ事があったものの本格的に読んだことはなかったので楽しみだ。コロナ禍が始まってから、それをすこし想起させるようなSF的にワンクッション置いたような災害モノの作品を読み返したりしてきたが、直接的に感染症を描いた作品らしいので、どのような話か非常に興味深い。精神に負担にならないよう気をつけながら読み進めたい。

 

 

日輪の賦 (幻冬舎時代小説文庫)

日輪の賦 (幻冬舎時代小説文庫)

  • 作者:澤田 瞳子
  • 発売日: 2016/06/10
  • メディア: 文庫
 

 

 

天冥の標Ⅰ メニー・メニー・シープ(上)
 

 

 買い物は出来るだけ3日に一度を守っている。家にいるので空腹感がないといえども、レトルトなどの保存食以外はある程度早めに食べたり調理してしまわないといけないので、何人分作るかは関係なく3日に一度は妥当だなと思った。

 

 5月7日

 連休明けで久しぶりに出社。ひとまずは5月中はこれまでの体制を維持、5月14日目処の政府の発表によって変更可能性あり、という予想通りの対応になるようだった。また引き続き在宅勤務者が増えそれぞれが何の仕事をしているか可視化する必要があるため、業務内容や出勤の有無の報告は徹底するようだ。特段誰かがサボっているとは思っていなかったが、これまでが緩かったような気もする。政府の方針も示されたことだし、これからは少し先の時期を見据えた業務が徐々に増えそうだ。新入社員がこれまでのリクルートスーツから違う装いに変わった。それぞれの個性が出ていて良かった。

 

5月8日

 バンクシーが新作を出したらしい。コロナで自宅待機になった時は在宅勤務と称したバスルームの絵が話題となったが、今回は医療従事者をヒーローに見立て讃える内容だと報道されていた。バンクシー氏も医療従事者に感謝をしてはいるだろうが、あの絵を単なる称賛として美談とするのはなんだかな、などと思うなどした。かなり皮肉というか風刺が効いていると思うのだけど、この情勢の中で医療従事者も見ている手前報道機関も下手なことは言えないのだろうか。というか別にマウントを取るつもりもなく、仮にバンクシーの存在を知らずあの絵を見たとしても何となく物哀しい雰囲気を感じるのだけど。

 昨日とは打って変わって1日在宅勤務をした。まあ正直これといって変わったことはないのだが、まるでコロナ前の全員が出勤を前提としている時を彷彿とさせるように夕方になるとメールが多くやってきて、終わろうと思った瞬間別のメールが来るものだから終わるタイミングが分からないなと思ったりした。あれだけゴールデンウィーク中にひたすら家で休んでいたのに、土日が来ると開放感があるものだななどと思ったりした。

在宅勤務中のBGM(更なる私への布教希望2)

なんとか本格的なゴールデンウィーク休暇に入り束の間仕事から解放された訳だが、先週に引き続き在宅勤務をしていたのでその際BGMとして聴いていたものを挙げていく。なお仕事中でもあるし元々ある程度同じアーティストの曲を続けて聴きたいタイプの人間なので、ここでは一曲単位だが、実際はアルバム単位で聴いている。

 

■洋楽懐メロを聴くフェーズが発生した。

Song 2

Song 2

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全盛期とは微妙に世代がズレているけれど90年代のこの空気感が折りに触れて懐かしくなる。在宅ワーク時には少し煩いかとも思ったがアルバムで聴くと緩急がついて気にならないし元気が出る。

 

 

Today

Today

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こちらも90年代。スマパンはミュージシャンズミュージシャン感が強いけど当然素人が聴いても良い曲。最近は活動が順調らしくて謎に安心している。

 

 

All the Things She Said (Edited)

All the Things She Said (Edited)

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一世を風靡したt.A.T.u. あの騒動の臨場感は忘れない。けど去年入社してきた新卒社員は存在を知らなかったな…。曲は完成度が高いしノレる。ちなみに実際に聴いたのは多分ロシア語バージョン。

 

■遂に人間椅子の履修を始めようかと思う。

宇宙からの色

宇宙からの色

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当然ながらというか、以前から存在は知っていたしちょくちょくYouTubeで曲を聴いたりはしていた。いかんせん歴史のあるバンドなのでどこから手をつけたらいいのかという感じだったのだが、時間もあるのでひとまず「人間椅子名作選三十周年記念ベスト盤」を聴くことにした。仕事中にお経のフレーズが流れたら気分が暗くなるのではという危惧があったが曲調のお陰か全然そんなことはなく、全体的に聴いていて元気が出た。ながら聴きではなくちゃんと聴きたいのでこちらは切実に「私への更なる布教希望」です。

 

■ライブで観たことがある人達

ニヤ

ニヤ

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一度ライブで観たことがあってとても良かったし、そもそも私の情報収集範囲内でよくお見かけする名前なので気になる存在ではあった。骨太な音色で割と泥臭い感じの歌詞のようだけど、やはりロックバンドとして大正解みたいな声質がなのが強いと思う。このタイミングで私の中でブームが起きているかも知れない。ちなみに私とはコンプラ観が合わない某音楽サイトに「ネーミングセンスが世帯主」と言われていたがそれに関しては同意する。

 

 

一生のお願い

一生のお願い

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こちらもライブで観たことがある。ライブは良い意味で「自分はいま何を見せられているんだろうか」感があったが楽しかった。元々「チャーハンたべたい」という曲が好きだったのだがこれを機に最新のアルバムを聴いてみた。一般的に言うと癖のある声に歌詞、と言うことになるのだろうが、ポップで可愛い音色なので在宅勤務時にこういうアルバムを挟むとメリハリが効いて良い。

 

■番外編 料理中に聴いた曲

スペツナズ

スペツナズ

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どう考えても歌詞が面白い事は事前に分かっていたので岡崎体育の曲は仕事中ではなく家事中に聴くことにしました。といいつつ岡崎体育で一番好きな曲はふざけてない曲、スペツナズです。

 

 

休日があったりオフィス出勤があったのでそれほど聴いた曲が増えてはいないが、意外とどんな曲でも集中を妨げずに聴けるのだなということが分かったのは収穫だった。

コロナ禍の下での生活史2

4月25日

 「コロナ禍が落ち着いたら呑みに行こう」という半ばフラグじみた台詞が合言葉の様になって久しいが、今日初めてオンライン飲みの約束が出来た。おそらくLINEのビデオ通話になると思う。とはいえこれはゴールデンウィークに帰省出来ない代わりの案なのでまだ先の事。

 一週間前に購入した青いレースフラワーが白く脱色し出した。萎れている様子はない。レースフラワーというのはてっきり白いものなのかと思っていたが違うらしい。色々と見た事のない花だと思って店員に名前を聞くと既に知っている名前だったりするので面白い。

 2日ぶりに外出する。徒歩の方が好きだが複数箇所用事がある為効率を考え自転車にする。公園の前を通りかかったら人がいたが子どもというより少し上の若者が多いようだった。その為か一見ソーシャルディスタンスを取れている様に見えなくもなかった。

 今日はとりあえず八十八ヶ所巡礼のライブ音源の振り込みができて良かった。

 せっかく自転車で出かけたのでリカーマウンテンに寄った。やはりレジにはビニールカーテンが吊るされ列の待つ位置も距離が取れるよう印が付けられていて徹底されていた。99.99のグレープフルーツ味が美味しかった。

 帰ってからアマプラで「嘘八百」を観た。序盤少しダレた気がしたが面白かった。最近は心が疲れているのか観る映画も選ぶようになった。暗くて深く考え込ませるようなものとか、明るくハッピーだとしてもジェットコースターすぎてハラハラするものが受け付けなくなってきている気がする。昨日見た韓国映画の「シークレットミッション」は結構重い要素があったり激しいアクションもあるが、完全に別世界の物語という感じもありしんどくなかった。

 先程the twentiesが自宅でそれぞれ収録した物を合わせたデモ音源をYouTubeに公開した。コロナの状況下での適応を感じる。それはそれとして曲はなんとなくこの前の音源っぽく聴きやすい感もありつつテンポが速く少し渋くて格好いい感じだと思った。

 

4月26日

 新型コロナの情報を入れようとネットやテレビに接続してみるがやはり摂取しすぎは良くないと感じる。とにかく今は自分が仮に罹っていたとして誰かに感染させないように、そして新たに自分が誰かから感染させられないように人との接触を減らすしかないという気持ちを新たにする。

 今日は日曜日で仕事もないし昼から飲酒する事にする。簡単なアテを作り、出来合いのものもきちんと皿に盛り付けるとていねいなくらし、とやらが出来ている気分になってくる。

 最近はコロナの影響で撮影が行われていない影響で、通常の予定通りに放映されているドラマが少なくなっている。数少ない新ドラマの、浜崎あゆみの自伝小説をもとにしたドラマが録画でうっかり録れていたので観ている。ツッコミどころしかなくて面白い。

 その後面白いと聞いた映画「ユージュアル・サスペクツ」を観た。1995年の作品なので画面全体に昔の映画という趣を感じた。1時間40分程度のはずだがなんとなく話のテンポが遅く感じ2時間近くあるように思われた。特に推理も予想もしておらずそれほど集中出来てもいなかったが話の展開は結構あるなと思った。昔の映画あるあるの変な設定でしょ?と思っていたところが伏線だったのでそこは素直に感心した。

 今日の気づきは入浴中にDie Antwoordを聴くと退屈しないけれど絶妙に不安感に苛まれるという事だ。

 

4月27日

 本日も在宅勤務。午前中は比較的に根を詰めて事務作業を行った。自宅マンションのどこかにDIYが好きな人がいるのか、時々トンカチを打ち付けるような音が聞こえてくるときがあるのだが、今日も聞こえてきた。

 注文していたスウェットがレターパック(赤)で届いた。インターホン越しの人物は郵便局員の様に見えたが、レターパックで来る想定をしていなかった為不審に思い送り先を尋ねると、局員のおじさんから推しバンドの名前が告げられた。横文字のバンド名のみの記載だったのでおじさんは何の団体か分からず読んだのだろうと思うと何故か少しだけ申し訳ない気持ちと愉快な気持ちになった。

 しかし先日は、押し売り系と思われる業者が支離滅裂な事を騙って来たのでそのくらいの用心は仕方ないと思う。新型コロナウイルスの情勢に乗じて詐欺紛いや泥棒が増えているらしいので人間の人間性…という気持ちになる。

 午後は多少ゆったりと仕事ができた。暫く在宅を続けていると急遽必要になった資料にアクセスが出来ず、出勤者にお願いする事も増えてくる。また遠隔でのやり取りは気を遣うが、「別に怒ってないけど今後気を付けて欲しい」的な注意をするのはより一層難しいと感じる。

 

4月28日

 在宅勤務になると、これまで比較的午前は暇で午後がメイン稼働の働き方から、午前からすぐに稼働する働き方に変わってきている気がする。現在の仕事が事務作業とメールのやり取りで占められる為、午前からバリバリとタスクを片付ける様になるし、出勤時間がない為「午前はエンジンをかける時間」みたいな余計な意識がなくスムーズに仕事に入れる。もしかしたら通常よりコロナで仕事量や納期自体が緩やかになったり、世間話のようなバッファみたいな時間がなくなり作業が効率化されているので、前日に行なった作業が朝一で私に提出されてきているのかも知れない。しかし勤務場所が自宅だろうとオフィスだろうと業務上でイラつく事があると変わらずイラつくんだなと改めて思ったりした。

 昨日から、積読になっていた原田マハ氏の「サロメ」を読み出したが、比較的長くなくリーダビリティがあるので既に読了してしまった。原田マハ氏の美術系の小説は好きだがこれまではその中で扱われる画家にはあまり馴染みがなかったり特別興味を持ったことの無かったりした。今回ビアズリーオスカー・ワイルドには元々関心があったので喜び勇んで購入した記憶がある。関心があったもののビアズリーの人となりは全く知識がなかったので非常に面白かった。これまでの原田マハ作品は最後に一筋の希望が持てるような暖かみが残る読後感が印象的だったが、題材だけにそうはならなかった。個人的にこういうダーク系は読み慣れているせいかハードルが上がってしまうのと、この作家は現代パートが魅力的なのでもう少しそちらに割いても良かったのでは(でも構造的にというか狙った効果的には今の感じがいいのか)などと色々思ってしまった。以前にワイルドのサロメを読んだ時は、表面的に文字面を読んだだけになってしまったのか、ビアズリーのあの禍々しいイラスト通りの話を期待したら意外と本文の表現はアッサリで拍子抜けした記憶がある。その割に日夏耿之介訳に拘っていた気もするけど多分日夏訳だと完全に別物というか物語として理解出来ていなかったと思うので多分福田恆存訳だったのであろう。原田マハの小説「サロメ」を読んで今一度読み返したい気持ちを持ちつつ、案外小説に書いてあるようにビアズリーの絵がワイルドの文章を食ってしまったという印象は強ち間違ってはいなかったのでは、とも思っている。そういえば数年前の「怖い絵」展で二日酔いだか逃亡前だかのオスカーワイルドみたいな絵を見た気がしたのだが、今日調べてみても分からなかった。同展にあったビアズリー本人が描かれている、チャールズ・シムズ《ワインをたらふく飲む僕と君にこれらが何だというのだ》はヒットしたが思っている作品ではなかった。

 

4月29日 昭和の日

 昨日映画版の空飛ぶタイヤを観た。コロナ禍が始まって以来これまでプライムビデオで色々映画を観ていたがその中で一番自分の中でヒットした。色々と感想はTwitterで垂れ流してしまったが、特に言いたい点を箇条書きにしてみる。

・池井戸作品のテレビドラマにありがちな(いい意味での)トンチキ感が皆無で骨太な印象。

・台詞が少ない役でも結構知名度のある良い俳優が起用されていて良い。

・ドラマ版を観ていないので比較は出来ないが、ドラマ版を観た人が感じているらしい違和感は特に無く、むしろ一人一人の配役が小説のイメージと合っていて(勿論映像化にあたってキャラクター性を誇張したりより華やかな人物が配役されている事を考慮しても)とても行き届いている感じがした。

・一人一人挙げているとキリがないから止めるが、佐々木蔵之介は大抵主役か、脇役でもシュッとしたイメージの役柄で観ることが多いが、ポイントとなる役柄とはいえ富山弁(?)バリバリのイケてる感皆無の中年会社員を演じているのは新鮮かつ違和感なくとても良かった。

 4日ぶりに外出した。ドラッグストアでポンプ式のハンドソープまで売り切れていて驚く。帰宅してひるおびを見ると秋学期からの始まりの議論が報じられていた。この話題が出てきたのは最近だ。昼過ぎからは医療SFドラマの仁が再放送されたので観た。リアルタイムの放映でも毎週楽しみにしていたと思うが、それが10年以上前だという事で驚いた。この時期でコロリ=コレラを扱った回から始まっており、この情勢で再放送する狙いというか意義に思いを馳せた。

 夕方から飲みだしたが、今日は餃子の皮を使って、最近SNSやWEB広告で断片的に見るレシピを発想の元にし酒の肴を作った。一つは皮の上に蛍烏賊と名古屋名物「つけて味噌かけて味噌」とチーズ、七味をかけたもの。元々赤出汁やコクのある八丁味噌が好きなので良かった。もう一つは餃子の皮にちょうど売っていた鰤と紫蘇を粗めの微塵切りにし包んだもの。先日文豪コロッケ(私命名、鱈とじゃがいもその他をコロッケもしくは私の判断により多めの油でハンバーグ状にしたもの、檀流クッキングに載ってたレシピに勝手にインスパイアされたもの)を使ってみるなど、最近自宅での引きこもり生活が続き、やたらと白身魚を細切れにした料理を作りがちである。

 緊急事態宣言は当初5/6までの予定であったが期間が延長されるようだ。それ自体は何となく予想が出来ていたが、大型連休中に勤務体系がどうなるか決定される可能性もありそうで気にかかる。検討段階のようだが、地域によっての段階的解除などになれば余計に複雑な対応になりそうだ。

 

4月30日 

 会社に行く用事があり約一週間ぶりに出社した。月末という事もあり思いの外、人が多かった。当社ではソーシャルディスタンスを保つ為に座席を離したり一部の者がコロナ対策用に開放された別室に移動する試みがされているのだが、初めて別室移動組となった。必要な資料や設備が離れた所にあったりして若干不便ではあるが静かで集中しやすかった。必要な仕事が終わったら帰宅しようと思っていたが、一度来てしまうと断続的にすべき事は降ってくるので、移動の時間が惜しく結局定時までオフィスに居る事となった。久しぶりの出社でスプリングコートを着て来てしまい失敗かと思われたが夜は少し肌寒くちょうどよかった。通勤服と私服はアイテムが異なるのでコロナ禍でちょうど衣替えの機会を逸してしまった感がある。

 

5月1日

 今日は午後から出勤した。出勤すると人と顔を合わせられるので、「改まって電話やメールで打診するより会って世間話の延長で相談しつつ流れで」アサイン出来る案件があるなと思うなどしている。所々一瞬暇だと錯覚する時間があれどサクサク仕事をして定時に退社する。政府からの緊急事態宣言の延長は5月4日に正式発表されるらしい。結局本日中に連休明けの当社の対応が決められる事はなかった。

 暇だと錯覚する瞬間にスマホを触ってみるけれど、ここ最近はこれまで少し疎遠だった友人と連絡を取ってみたりしている。色々な勤務形態の友人がいるなとそれぞれの状況に思いを馳せたり、殆どInstagramを更新しなかったスタンスの友人が流石に時間があるのか新たな投稿をし、それにすかさず良いねを押したりしている。(それは果たして「良いね」なのか)

 推しバンドである八十八ヶ所巡礼がいよいよサブスク配信に乗り出したらしい。今日が八十八夜、という事で全く行き届いて粋である。TikTokも配信先に含まれているらしいのは意外性があった。私はTikTokについて微塵も知らないのだけど。

 明日から本格的にゴールデンウィーク、大型連休である。元々家にいるのは苦にならないタイプではあるけれど5日間どうなることやら。どうにか自宅での楽しみを持続させたいものである。

最近自宅で聴き出した曲たち(更なる私への布教希望)

時節柄早めに退勤できたり在宅勤務の時間が増え、これまでなんとなく存在が気になっていた人達の曲を聴く機会が増えた。普段は聞く音楽の幅を広げるのが難しかったりするのだが、今年に入りApple Musicに登録した事がここに来て奏功している。

この記事では、最近聴いた曲などを詳しくないなりに挙げていきたい。

 


夜行性の生き物三匹 - ゆらゆら帝国

まずはみんな大好きゆら帝。こういう日本プログレみたいなのを全く通っていなかったので全然知識がないけれど今聴いている界隈のルーツ的な感じもするし押さえておきたい。ゆら帝の中では個人的にこの曲がテンポも比較的速くて一番聴きやすい。MVも面白くてひょっとこが可愛い。踊りの体幹も良い。

 


【MV】よじれる/赤いくらげ

嘘つきバービーの元メンバーがいるという流れで、というか界隈のタイムラインで知ったけれど、それよりも何よりも女性ボーカルの声が印象的。コンテストに優勝してカナダに遠征したらしいので演奏力も折り紙付き。一度ライブで見てみたい。

 

 


ヘンショクリュウ HEMP SHOCK CREW “新しい数え方” Music Video

ベースマガジン編集のヂーノさん率いるバンド。以前行ったライブの対バンに出演していた。その時は普通に格好いい曲で変わった声で変わった形のベースだなという、とおりいっぺんの感想だったのだけど(CHAIとか印象派がいたのでアウェーだったかもしれない)、後日このMVを観てハマった。声質と曲調が合っているし何より映像がお洒落。よく〇〇はライブで見た方が格好いいよ!みたいな言説があるけど退きでみたり作品として完結してメディア化されたもので良さを再確認するパターンもあるなと思った。(全然関係ないけどお笑いライブでコウテイを初めて見たときは「普通に面白いけどうるさくて変なキャラの勢いがあるな」という感想だったのにTVでネタを見るとメタ漫才だと気付けてめっちゃ面白く感じるのと同じ話だなと思った)この曲が入っているアルバムに「今宵、皆が魁」というタイトルの曲が入っているらしいので椎名林檎が好きなんだろうと思っている。

 


the coopeez ”永遠に美しく”

京都mojoの個性的なキャラクターをデザインした方のバンドだと勝手に思っている。正直いつもは聴かないタイプの曲調が多いバンドなのかななどと勝手に思っていたけどこのMVがめっちゃ好き。所謂お洒落サウンドでありながら素朴さのある声がマッチしていて単純に良い曲。映像の演出もお洒落。お金がかかってなさそうに見えてどうやって撮ってるのか凄く不思議な感じがする。2:30時点に映っている交差点のマルイがあともう少しで無くなると思うとエモさも倍増する(※新型コロナウイルスで臨時休業中。このまま再開せずに閉店してしまうのか?)。シンプルなタイトルも一周回って写真とか化粧品のコピーみたいで効いてくる。

 

 

 


Creepy Nuts(R-指定&DJ松永) ぬえの鳴く夜は (2018年 4月7日)

急に有名どころ。日本一のMCと世界一のDJの人達。spark!!sound!!show!!(スサシ)の「swinga!」をサンプリングしたのが「ぬえの鳴く夜は」らしい。スサシは様々な曲を作っていて比較的重めの激しい曲も多いが、swinga!はうるさく且つ明るくカラッとした印象があった。ぬえの鳴く夜ははそれより少しダークな印象。

 


DALLJUB STEP CLUB - 徒歩GANG (Official Music Video)

この流れはヒプマイ楽曲提供者繋がりか。一度ライブで観て非常に格好良かった。ライブ時の配置が独特でドラムが上手側の端だった。普段そこまでドラム演奏に着目しないのだけどタイトな演奏が印象に残った。最近は在宅勤務時のBGMに多用している。良い意味で癖のない声でサラッと聴けるし、歌詞も重いテーマではなくクスッと笑える感じで良い。

 


田島ハルコ「lipstic」MV

在宅勤務時BGM多用その2。以前から存在が気になっていたけどApple Musicでがっつり流して聴けるようになって良かった。作業中サラッとも聴けるけどらこちらは結構何を主張しているのかちゃんと聴きたくなる。田島ハルコさんのおかげか分からないけど、会社で地味に嫌な弄りとか微妙にアウトでは?という発言を聞いた時は「人権の時代!」と連呼し乗り切るという技を最近繰り出すようになりました。

 


Magnificroissant~いらない~ - Alice Longyu Gao


Karma is a witch - Alice Longyu Gao

田島ハルコさんが以前ブログか何かの媒体で紹介されていた。MVの世界観が可愛い。使っている色調そのものは夢可愛い(死語か)感じと思わせつつ彩度が高い。強い。曲調は比較的分かりやすいけど中毒性がある。


HOW LOW? / HITOMI (KILL MY 27) feat.Shin Wada electronica mix & VJ Kazz Fukuda

バンドではなくHITOMIさんがやっているプロジェクト名がKILL MY27。プロジェクト名なり曲名からも分かるようなNIRVANAを彷彿とさせるサウンドだったりもするけれど、曲調がかなり前衛的。ライブで見たときは激しい動きと弦を使って弾くパフォーマンスに驚いた。服装とか見た目はセルフプロデュースしているのだろうけど、比較的女性らしいというか変に強そうだったりボーイッシュな感じは全然無いし、声もクリアな印象だけど、純粋に曲と演奏が格好いい。あまり余計な観点から物を言われるのは嬉しくないかもしれないけど、完全に「女子」の文脈から外れて好きな事をやってる感がとても良い。

 


酔曜日/吾が仏

Apple Musicに入ってないから実はそこまで聴いていない。けどだいぶ前からたまにタイムラインに現れるので気にはなっている。「吾が仏」はバンド名のようですがメンバーは1人の模様。このバンド名と曲名はどう考えても私のアンテナに引っかかるのだけどいかんせん詳細が分からない。この曲は普通に格好いいと思います。

 

あとは普通に有名どころだと今更というか椎名林檎の「三毒史」をヘビロテしている。ゲストボーカルが多く聴きごたえがありどの曲も好きだけど「急がば回れ」が自戒を込めつつ皮肉が利いてとても好き(ネットで出回ってる歌詞解説のサイトは多分解釈間違ってるさすがに私でもそれは分かる)。あと弊ブログで2回くらい出てくるオークワフィナのアルバムは在宅勤務時にかなり重宝している。

 

malily7.hatenablog.com

 

 

malily7.hatenablog.com

 

それ以外で聴こうと思って聴けていないのはサバプロで去年暮れくらいに石橋を叩くみたいな曲が凄く流れていたのが印象に残っている。他にもあった気がするしこれを機に色々聴きたいと思っている。

 

コロナ禍の下での生活史

新型コロナウイルス(COVID-19)の流行が始まり早3ヶ月。本当はもっと早くから日記のように記録を付けておけば良かったのだけど、なんだか流行の始めがもうひと昔前のことだなと感じられて、ふと思い立って何が起きていたかどう思っていたかを振り返ってみたいと思う。現在の主観からなので微妙に時系列が合ってないかも知れないがご了承頂きたい。全く、生活史などというタイトルはなんだと自分でも思うが、何となく生活という単語を入れてみたかった。「生活」なんて言葉は全然好きじゃなかったのにこの期に及んで選ばせるとはコロナの影響なのだろう。

 

 

なお、この記事は今現在に於いて新型コロナウイルスによって非常に深刻な影響を受けている訳ではない者によって書かれています。基本的に雑感と些末な内容で構成され部分的には非常に能天気と受け取られても仕方ない記述もあるかと思います。また具体的な医学的あるいは政治や経済への考察などはしません。

今現在も前線に立つ医療従事者や小売、流通、その他インフラ等で社会を支える方々に感謝を申し上げるとともに、上記の記事の趣旨を鑑み気分を害す恐れがありそうであればここでこのページを閉じて頂ければと存じます。

 

 

1月中旬から下旬。本邦に初の感染者が現れ、自分の住む自治体にも現れたがまだ武漢の関係者や海外帰国者というイメージがあった。それと前後するように友人と3月の三連休に大分県へ旅行に行こうという話も出てきていた。

2月に入り友人と直接会い旅行の計画を立てようかと思っていたが、コロナの流行が大きく取り沙汰されつつありお互い他府県に住んでいることから約束が流れた。一旦様子を見ようということになったが、結論から言うと行っていないし件の友人とは連絡を取りつつも以降1度も会っていない。そんな中奈良県の観光バス運転手が罹患し、ダイヤモンドプリンセス号について連日報道されるようになった。日本のどこかでは高熱を出した翌日に観光バスツアーに参加した高齢者の例があり、バイタリティに驚いたりした。この頃には手洗いうがいの慣行が進められており、手指消毒の強化も始まっていたと思う。なかなかマスクや手指消毒液は手に入らなかったが、うがい薬や空中散布用にクレベリンを購入した。ウェットティッシュも売り切れていることが多々あり、コンビニで見つけては購入したりしていた。

 

2月の中旬には大阪のライブハウスでクラスターが発生した。それ以降暫くライブハウスや音楽産業従事者への風当たりが強くなった。SNS上で報告される音楽関係者への心無い差別に憤りとやるせなさを感じつつも、ライブハウスの環境は体感的にリスクが高そうだとも思われた。私もライブハウスに行く事はこれまで何度もあったが、ちょうど1月中旬に行った以降予定がなく、もしその時点でチケットを持っていたらかなり悩み気持ちが落ち着かなかっただろうと思った。この頃密閉・密集・密接の3密が取り沙汰されるようになった。ライブハウスの営業自体は3密と条件的に相性が悪すぎ、感染拡大防止の観点からは営業自粛がベターであろうとは思っていたが、世間の白眼視も大きく界隈ではその反動で別の産業はどうなんだ、というような意見も散見された。その時の飲食業やパチンコ店への批判が月日が経ち都度なんらかの影響を及ぼすにつれ批判の矛先となっていったのは皮肉なものだと思っている。

 

2月下旬に差し掛かり、そろそろ旅行をするのであれば諸々の予約をしなければならない時期となったが、ここで正式に計画は秋に延期される事となった。個人的には却って空いているのでは?という邪な気持ちがなくもなかったが、正直な所エビデンスが無くても温泉は遠慮したい気分だったので少しホッとした。その反動か、SNS上での「こんな時だからこそ近場でお勧めの温泉地!」とかサウナや銭湯でスッキリ!みたいな投稿に無駄に若干苛ついたりしていた。この頃はまだ長距離移動への不安感は個人的には少なかった。

 

2月中旬から3月中旬までは、感染者が立ち寄ったとされるスポーツジムや音楽ライブ、それに波及する形で演劇などの一部の文化産業へ風当たりが強かった。そういった中で、ちょうどライブを主催しているタイミングの推しバンドを心配したり、そのタイミングでMVを公開した推しバンドに感謝したり、北の街でのライブを直前で中止したという推しバンドの突如の無観客配信に歓喜しスクショ祭を行ったりした(全て別のバンドです)。またマスク不足が深刻となり転売ヤーが現れた上、「マスクと原材料を同じくする紙製品が不足する」というデマまで流れた。私は「そういうデマがある」という情報を第一報として翌日に知ったのでそれほど慌ててはいなかったものの、その日はトイレットペーパーはドラッグストアから品切れ、それ以降も困る様な事態には陥っていないものの品薄状態が続き(厳密には品薄じゃないにしても明らかに通常より残り少ない)、以降タイミングもあるが柄入りの可愛いトイレットペーパーを購入せざるを得ない感じになっている。

 

3月上旬の社会の動きとしてはやはり突如の休校要請が印象に残っている。直後の現場や家庭の混乱、それによりこれまでの社会や個人間の関係の非対称性が浮き彫りになり様々な言説が聞かれた。これは完全に結果論ではあるが、この期間に感染した人物によってピンポイントで休校となった場合の犯人探しが行われる可能性を下げた点は良かったのではないかと思う。これまでの感染者の中で個人特定をされているらしいという話を聞くこともあり、そう思うに充分だった。そしてSNS上では休校による給食の停止で供給が過多になった牛乳を消費しようと、にわかに「蘇」の調理が流行り出した。「蘇」とは日本史の教科書に載っている牛乳を煮詰めてチーズのような物を作るアレである。なおその進化系の醍醐はレシピが失われているらしい。私は牛乳が得意ではないのでこのブームには乗れなかったが、卒業式や入学式の中止により花の需要が減っていると聞き、一度この時期に花を購入した。花屋によると卒園式などでの需要はあったがやはり入学式の取りやめはある、との事だった。後日別ルートで、式は無くとも個人間で花を送る需要があったり、花屋は発注を抑えたりでなんとかなる部分もあるが、花の生産者の状況が厳しいと聞いた。やはり素人考えでは思い至らないそれぞれの業界の実情があるんだなと感じた。なおこの頃同時に流行りだした疫病退散の妖怪という「アマビエ」のイラストは今もなお散見されている。

 

3月下旬は新型コロナとは無関係に時節柄会社でゴタゴタし半ばゴシップ的な様相で1日単位で新情報が入るような時期でもあった。そんな中、英国のローラアシュレイが破綻した。ローラアシュレイの雑貨は特にそれまで愛用してきた訳ではないが、ここに来て知っている企業が新型コロナの影響により消滅したことによって軽く衝撃を受けた。数年前に最寄りの店舗がいつの間にかなくなっていたので調べてみたら、ライセンスの問題で一時撤退していたが今年の夏に日本再進出を試みていたと知りやるせなかった。退勤時にちょうど一緒になった同僚にローラアシュレイの件を話すと驚き、その内に社内状況の話になり、話が弾んで何故か彼女は私の自宅経由の路線で帰っていった。この頃には話が弾んだとて一杯呑んで帰るというのが何となく憚られる風潮だった。

そういった中、急激に世間の様相が変わったと感じられる事象が2つあった。一つはお笑い芸人の志村けん氏の死去、もう一つは大学生を中心とする大規模クラスターの発生である。前者は読者の皆様もよくご存知の事と思うが、全国的に親しまれる有名人の死去で多くの人が心を寄せ且つ新型コロナの恐ろしさに身を引き締める契機となった。個人的に(ファンの方が気分を害したら申し訳ないが)志村氏に悪印象も持っていなかったがそこまでの思い入れは無かった。ただ後から振り返ると、初めての日本の著名人が感染報告された例且つご本人が大物芸人な事もあり、病から復活する事でなんとなくコロナ禍も乗り越えられるような希望を無意識に仮託していた様な気もする。その為訃報を聞いた時は気分が落ち込んだ。後者はより直接的な影響を生んだ。近い地域との事もあり感染の可能性をぐっと身近に感じ危機感を強めた。また当該のクラスターが卒業年度の学生という事もあり影響は全国に及んだ。20年度の当社での新入社員への対応もこの件を期に厳しく当たる事になったのではないかと思われる。

 

4月に入ってから東京オリンピックの延期が決まり、更に社会の流れが大きく変わった。3蜜はもとよりソーシャルディスタンスという言葉が盛んに聞かれるようになり、スーパーなどでの日用品の買い出しまで頻度や距離感など感染防止の方策が周知された。コンビニでは飛沫拡散防止のため独自で作った透明ビニール幕がレジ部分に吊るされた。また前述した様に文化事業者から飲食店、最近ではパチンコ店へと何かが起こるたびに批判の的が移り変わっていった。

また俳優でミュージシャンの星野源氏が「うちで踊ろう」という曲を作りフリーで使える素材として提示、そこに他のパフォーマンスを重ねてセッションする様呼びかけムーブメントを起こした。これには歌や楽器、ダンスだけではない様々な手法での参加があり盛り上がっていたが、そこに首相が投稿したことにより炎上が起こった。炎上の理由は様々あり主に①音楽(や文化)事業者への冷遇などの経緯を顧みず成果のみにフリーライドしたかの様に見える配慮の欠如②星野源氏あるいは参加者が作り上げてきた企画趣旨、文脈を無視した投稿(仮に発信内容自体が正しいものだったにせよ、というかパフォームしろよ的な意見)③今現在前線で働いている人に対して配慮に欠けている、の3点の様に思うが、この事象に対する個人的なポイントは、この投稿が実際に起こるまでのフローに対する不信である。首相側はこういう意図で良かれと思って(?)投稿したのではと酌量というか憶測の余地はありつつ上記3点も勿論理解できる、のだけどその3点そのものというよりその様に思われるという客観的判断が出来ない組織であるというのが非常に心配である。これは心情の問題ではなく実害になりそうな事だからだ。まあ端的に言えば「広報チーム機能してんのか?」「というか、誰がこの企画考えついて誰が通したんだよ!」という気持ちです。

あとほぼ私怨ですが結構前から宇佐神宮(大分県)に行きたいと思ってたけどコロナで断念したのに、みたいな気持ちです、察してください。

 

閑話休題

 

4月に入り、当社の入社式も拠点をテレビ会議通信で繋いでの実施、集合研修の中止の対応が取られた。このことにより急遽拠点配属となった数人に向けての講義が任される事となり急拵えでスライドを作ったりしたが、それも既に一昔前の気分である。その内に7都府県への緊急事態宣言が発動し、住んでいる自治体でもそれに準じる対応となるか、という事態となった。ここに来てテレワークの推進が始まり、クライアント都合や物理的要因が無ければ適宜在宅で仕事をする様にとなった。あれよあれよという間の事だった。様々なクライアントがいる中グラデーションはあるものの徐々に事情を説明、協力を得ていき(流石に断固拒否をされる事はないがどうしてもという事はある)、本格的な在宅移行に備え社内のメンバーでslackのワークスペースを用意したりした。zoomが流行っているのは勿論知っているけれど、今の所は特に必要がなくセキュリティの不備が指摘されていることから導入の予定はない。そうこうしている内に緊急事態宣言は全国が対象となった。現在私個人では週の半分程度は在宅勤務を行なっている。また出社時も人が少なくなった分ソーシャルディスタンスを取るよう従来の席よりも離れて着席している。通常のやりとりとは別で社内システムへアクセスしないと出来ない作業がある為、月末処理には多少不安を感じているが、通常業務にそれ程支障は感じていない。しかしこれはコロナ禍の一時的な状況だからこそで、これが完全に常態化したら厳しいとも思っている。また2月3月に影響が直撃した業務領域は存在したが直接大幅な打撃を免れた一方、この時期に間接的な影響でペンディングとなる案件が増え、心境的には荒廃している。

 

直接関係はないことではあるが、国内的に有名な大手メーカーの元社長が新型コロナウイルスが原因で亡くなった。私の住む自治体の経済界で重要な地位を占めた方で、後から経歴を知ると、住民なら知っている事業を手掛けていたこともありなんとも言えず衝撃を受けた。そういえば前述が多く恐縮だが、推しバンドが無観客ライブを配信したハコは一度振替公演の日程が決まっていたにも拘らず今月末にも閉店してしまうようだ。俳優の岡江久美子氏も新型コロナウイルスが原因で亡くなり、カプセルホテル運営で有名なファーストキャビンが破産の申し立てをした。感染症という意味でも経済的な意味でも喪失感を受けることが多々ある。

 

在宅勤務が視野に入ってきた段階で自宅での生活は少し変わってきた。外出が減った反動か部屋着やら、何故か靴を通販で買ってみたりした。外食が出来ないので一度近所の飲食店のテイクアウトの利用を試みた。しかし店内が混んでおり、どの席も複数人で連れ立って来ており換気も悪そうだった為断念した。正直危機感が薄く思えた。それをきっかけにUberEatsのアプリを落とした。また今まで職場ではペットボトル飲料を中心に飲んでいたが、その代りに家ではずっとお茶や珈琲を沸かして飲んでおり、頂き物の期限内に飲めるか心配だったティーバッグなどを凄い勢いで消費している。作業中は無音も心地よかったが、今年に入りApple Musicに入った事もあり邪魔にならなく且つ気分の上がる曲を選ぶ楽しみを見出している。また音楽以外にはニガミ17才のあくびちゃんの梱包作業配信とか金属バットの声流電刹などを聞いてみたり(落差が凄いな)している。おそらく番組的にテンションを上げて作り込まれた会話より、落ち着いたトーンのある種垂れ流す系の方が聴きやすいのだと思う。

前述したように新型コロナウイルス流行以前からちょうどライブへ行く予定を入れておらず、何となく一旦落ち着いて自分の生活や仕事に注力しようとしている時期ではあった。もちろん好きなバンドや漫才師などに関心は持ち続けていたが(それこそMVや無観客ライブ、TV出演は観た訳だし)少しライブ鑑賞の現場から離れつつある時期に現場自体が無くなり行けるものを探す余地も無くなった。そんな中だんだんと世の中がものものしい雰囲気となり少しづつ気力を削がれていく感覚もあった。急に開催される夜中のツイキャスはリアルタイムは勿論後追いも出来ていないし、TVに出ると分かっていても予約も視聴も出来なかった。全体的に疲れている。それでも最近はthe twentiesのスウェットと(最近寒くてマジで必要だった。私はこのバンドの物販を生活雑貨の店だと思っている節がある)、八十八ヶ所巡礼のライブCD(支払い方法不明で二の足を踏んでいたら初回が売り切れた。評判が良く、支払い手順の情報も流れてきたので再販時に予約した。いつものことだけど輪をかけてジャケットがゾワゾワする)をちゃんとポチれたので本当に良かった。このご時世あまり経済を回す、などというと都合の良い言い訳の様に聞こえてしまうのではないかという危惧もあるけれど、物流の過剰負荷にならない様にしつつ生活を彩るものを購入したい。いつもお取り寄せ系の食べ物を見ては調べすぎて二の足を踏んでしまうけれど、まずはそこからかも知れない。

 

2019年に読んだ小説レビュー 【多少ネタバレあり】

気が向いたら書くと思いつつ全然更新してなかったのですが、年末なので備忘録として読んだ本を一挙レビューします。例によって核心には触れないけどちょいちょい内容に触れます。

 

本記事で取り上げる作品

カササギ殺人事件   アンソニーホロヴィッツ

若冲   澤田瞳子

恋しぐれ  葉室麟

・Blue   葉真中顕

・鍵の掛かった男   有栖川有栖

・QJKJQ   佐藤究

・なめらかな世界と、その敵   伴名練

・人間   又吉直樹

Ank: a mirroring ape   佐藤究

・モダン   原田マハ

アルキメデスの大戦 (映画のノベライズ)

文學界1月号

    的になった七未   今村夏子

    子猿    小山田浩子

    美術少女    藤野可織

 

 

カササギ殺人事件

カササギ殺人事件 上 (創元推理文庫)

カササギ殺人事件 上 (創元推理文庫)

 
カササギ殺人事件〈下〉 (創元推理文庫)

カササギ殺人事件〈下〉 (創元推理文庫)

 

 話題作だったので読んだ。トータルでも面白かったんだけど、前編の作中作が面白すぎて後編の現実部分がまどろっこしかった。ちゃんと推理はしなかったけど何となく怪しいと思った人が犯人だった。動機は小説にたまにある、ある種の職業観念に囚われたタイプのものだったけど、正直殺さなくても最後の作品のアレだけ黙って変更したら被害者の目論見は阻止できたはずなので釈然としなかった。

 

 

若冲 

若冲 (文春文庫)

若冲 (文春文庫)

 

 「火定」が面白くてまた読んでみたいと思っていた澤田瞳子さんの作品。史実に完全に即しているわけではなく独自の設定もあるあくまでも小説。歴史的な史実と平仄が合うような政治的な裏側なども書かれていて全体的に重厚感のある作品なんだけど、若冲が地元の商店街に関する交渉に駆り出されたり庶民派な展開もあって面白い。

 

 

恋しぐれ

恋しぐれ

恋しぐれ

 

 「若冲」とほぼ同じ時代が舞台だったので読んでみた。若冲にも登場した与謝蕪村を中心とした家族や門人たちの話を収録した短編集。人情話風でありながらベタベタしてない距離感は葉室麟作品の特長だと思う。複数人「若冲」と共通する登場人物がいてそれぞれの解釈があって面白かった。まさか与謝蕪村の娘の離婚問題に関して二作連続で読むとは思わなんだ。

 

 

Blue  

Blue

Blue

  • 作者:葉真中 顕
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2019/04/17
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 一冊通して平成を振り返る本。主題が児童虐待だけに陰鬱ではある。平成30年の間に表面化した様々な事件や社会問題、課題意識を扱っているが表面的になぞって型に嵌めた展開ではなく、それぞれの登場人物をきっちり描きこんだ印象を持った。最後の方のメインの登場人物の結末は、取ってつけたような過去の明かされ方な気がしなくもなかったんだけど、やはりあのような選択肢を提示することで物語や現実の読者に救いをもたらしたかったのかななどと思っている。といいつつ、本作の魅力はやはり平成史としての機能だと思う。実際にあった事件や災害、流行を作品に散りばめるだけでなく、効果的に物語が展開するように緻密に配置されている。取り扱う流行も、その時代に日本にいたほとんどの人が共通認識として共感できるラインを選びとっている。スポーツに興味がなく何年に何杯で誰が優勝したかをすぐ忘れてしまう私でも五郎丸ポーズが国民的に流行ったのはしっかり覚えている。平成初期に放送されたテレビドラマ「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」が平成の終わりにアニメ映画化されたのも、この作品の中で丁度よくあしらわれているんだけど(私個人はアニメ映画化の時点でドラマの存在を知った)、少しサブカル寄りの作品を出しながら敢えてDAOKOや米津玄師の名前を出さないのも絶妙な感じがした。何というか、山内マリコサブカルガジェットとは対極にあると取捨選択(岡村ちゃんとか絶対この作品に出てこない)。同じ紅白歌手でも西野カナはエピソードに絡んでくるのも対照的。

 

 

鍵の掛かった男

鍵の掛かった男 (幻冬舎文庫)

鍵の掛かった男 (幻冬舎文庫)

 

 火村英生シリーズのファンとしては、今回火村センセの出番が少なかったのがちょっと残念な気がする(でもドラマ化されるならその分窪田正孝の出演が増えるからそれはそれでアリ)。このシリーズは中・短編は主人公達が住む京阪神を舞台にしていて、長編は旅行先などが多いイメージなんだけど、今回は大阪中之島が舞台となっていて新しい感じがした。所謂コテコテの大阪のイメージとは違う中之島の文化などが垣間見えて良い。嵐の山荘/孤島モノに準じる閉ざされた人間関係の中での犯人当て作品と、刑事モノの足で稼ぐ系の臨場感がある作品の中間を行くような印象を持った。有栖川作品は火村先生の心の闇とか強い個性がありながら、ワトソン役のアリス(と作者の有栖川さん)の倫理観がしっかりしているので安心して読める。

 

 

QJKJQ

QJKJQ (講談社文庫)

QJKJQ (講談社文庫)

  • 作者:佐藤 究
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2018/09/14
  • メディア: 文庫
 

 以前から気になっていた作品。帯の煽り文句からもっとアングラな雰囲気の小説かと思っていたら意外と主人公がナイーブで爽やかなタイプの作品だった(なので末尾にある湊かなえさんの論評はまあ共感できる)。正直中盤で明かされる謎はすぐに察しがついてしまったけれど、その後の誇大妄想っぽい外連味ある展開は嫌いではない。リーダビリティがあってグイグイ読める。

 

 

なめらかな世界と、その敵

なめらかな世界と、その敵

なめらかな世界と、その敵

 

 これはSNSで情報が流れてきて気になった作品。編集の方の広報力が凄い。「ひかりより速く、ゆるやかに」の冒頭部分が無料公開されていて更に気になったのと、紙の書籍を購入すると印税が京アニの支援に回ると聞いて遂に購入した。

6作の短編が収録されていて、文体や作風がそれぞれ異なるので、読んだ人同士で意見交換をしたくなる。表題作と「ひかりより速く、ゆるやかに」はSFを読みつけていない人でも取っ掛かりになりやすそうな爽やかな青春ドラマ風。個人的には「ひかりよりー」が好みで、作者も「今現在の最大瞬間風速を狙った」的な事を仰っていたと思うので是非読んで欲しい。現代のリアルな描写が詰まっている。「美亜羽に贈る拳銃」のみ伊藤計劃トリビュートで読んだことがあったけれど、時間が経って忘れている部分もあり新たに読んで楽しかった。こちらと「シンギュラリティ・ソヴィエト」はSF的ガジェットや世界観がそれっぽくてワクワクする。SFファンに受けそう。「シンギュラリティ・ソヴィエト」は比較的評価が分かれている印象があるけれど、おそらく設定からしてより壮大な展開になると期待していた人がちょっとガッカリしているのでは?と思っている。個人的にはちょっと暗くてダウナーなかつ社会構造絡みのディストピア感が良かった。「ゼロ年代の臨界点」は痛快!特異な感じの文体というか設定なのでこれも好みが分かれそうだけど終始ニヤニヤ読み進めてしまう魅力があった。

 

 

人間

人間

人間

 

 又吉さんの前2作は、主人公の視点から現実に起きた事を語るという地に足のついたある種一般的な構造だったけれど、今回は信頼できない語り手とかマジックリアリズム的な表現とか、色々な手段を使ってきているなと思った。ここ最近純文学を読んでいなかったので、結末が回収されない感じ、純文学あるあるだーというのが率直な読後感だった。主な一人称である永山とお笑い芸人の影島は、意図的に、時に不自然なほど作者自身に模されていて、かといって単純に同一視できるわけでもなく架空の人物として生きている。内容としては個々のシーンや主張に共感するところもありつつ、あくまでも又吉作品は何者かになりたい人、何かを生み出す事を生業にしている人の話なんだよな、という認識を深めた。とはいえ、そうでもないヌルっと生きてる人でも楽しめるはず。あとこちらも作者の倫理観に信頼がおけるタイプの小説だと思う。

 

 

Ank: a mirroring ape

Ank : a mirroring ape (講談社文庫)

Ank : a mirroring ape (講談社文庫)

  • 作者:佐藤 究
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2019/09/13
  • メディア: 文庫
 

 QJKJQと同じ作者。個人的にはこちらの方が面白かった。パニック小説ではあるけれど、何故起こったかという部分がしっかりしていて読み応えがある。一種の科学SFに分類されるのか。京都が舞台で比較的地理が現実に即していて臨場感がある。シン・ゴジラで首都圏在住者が「私の家の辺りが!」「会社倒壊した!」みたいな楽しみ方をしていたのが今回実現した。そして日本ではタブー過ぎる描写がアッサリ登場しているように思うんだけど大丈夫なのか…。映像化したらグロすぎるだろうから絶対観に行けないけど主人公も他の小説ではあまりみない設定で面白いので配役とかはちょっと興味ある。ネタバレにならない瑣末な点で一つ文句を言うとしたら「山科」さんがでてきてあたかも京都らしい由緒ありそうな名前と説明してるけど、山科は京都市なのに山科市みたいな扱いなので他府県には通じないし地元民には違和感しかないぞ!というのがある。

 

 

モダン

モダン (文春文庫 は 40-3)

モダン (文春文庫 は 40-3)

 

 美術館が舞台の小説といえば原田マハさん!なんなけど、本作は美術そのものや業界で完結する濃度の高い話ではなく、それに携わるスタッフ達の人生や悲喜交々の物語だった。人生を芸術に捧げるのではなく、人生の一角や生活の中に於ける芸術の存在に想いを馳せるような印象を受けた。今ワイエス展やってたら観に行きたい。短編集でかなり文庫本自体も薄いので軽めの移動中の読書に最適。

 

 

アルキメデスの大戦(ノベライズ)

小説 アルキメデスの大戦 (講談社文庫)

小説 アルキメデスの大戦 (講談社文庫)

  • 作者:佐野 晶
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2019/06/13
  • メディア: 文庫
 

 映画が面白いと聞いていたのに行けずじまいだったのが悔しくてノベライズを買った。正直これは映像で観るべき話だと思った。

 

 

文學界1月号

文學界 1月号

文學界 1月号

  • 作者: 
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2019/12/07
  • メディア: 雑誌
 

 宇多田さんと又吉さんの対談目当てで、特に「人間」を読んだので補完する意味合いもあって購入。対談も興味深かったけれどとりあえず読んだ小説のレビューを。

「的になった七未」今村夏子

今村夏子さんは気になっていたものの作品を読んだことがなかったのでこの号に収録されていたのは僥倖だった。シュールな笑いと悲惨な現実が同列のように淡々と語られていて不気味。でも「〇〇したら終われる」みたいな終わりを求める感じ、終わり=安寧みたいな感覚は自分にもある。人によって〇〇が異なるにせよ。

SNSのレビューを見ていたら、町田康の「告白」をとっつきやすくした感じ、と出ていて新鮮だった。確かに社会不適合者っぽい人の人生を滑稽味を交えて語るのは共通している。あと「Aマッソや空気階段のコントが好きな人に嵌りそう」は体感的に分かる。ちょっとエグみがある感じというか、同じ意地悪な視点のコントでもゾフィーはもっと軽くてドライだし、東京03は単純に現実だし、などと思った。

「子猿」小山田浩子

初めてお名前を伺う作者。凄く純文学的。大して何も起こってないし、隣の息子さんに結局何があるのか分からずじまいだし。正直私は純文学を読む能力に欠けているので、偶に昔の文豪の名作を読んでも途中で「だからどうした」みたいになってしまう事があるのだけれど、この作品は会話の魅力があった。一般的な家庭でよくありそうな平凡で特にウィットに富んだ訳ではない会話ながら、妙に不穏な感じが読ませるなと思った。地の文でも現代人の口語交じりなのが親近感を覚えた。

「美術少女」藤野可織

芥川賞受賞作「爪と目」以来読むのは二作目。「爪と目」の語り口というか人称の設定には驚いたけれど今回も衝撃的な作品だった。男女という概念がない未来を舞台にしたSFに近い小説。この設定を本格的な長編SFにしようと思ったら、社会制度とかそれまでの歴史を作り込まないといけないんだろうけど、子どもの視点から描く事でファジーな世界観でも整合性が取れている。その辺り色々言いっ放しで回収する気が無さそうなのが純文学っぽいなと思いつつ、SFファンが読んだらどんな感想を持つのか凄く興味がある。登場人物の名前の設定が全然浮ついてないのはSFらしからぬ感がある。この物語の中の世界がどうやって社会を維持しているのか分からないけれど、子どもが子どもの感性でかなり現代人に近い感覚で物を思っているように見せて、教育を通してガチガチの洗脳じみた思想統一を行なっている可能性もあると思うとSF的にはワクワクする。読了後、凄いものを読んでしまった!という感動がありつつ、正直まだこの小説の主題や主張を掴みあぐねている。ただ一見ジェンダーがなくて究極の平等が最適解に思えてくるけれど、全員同じ髪型で似たような服装って紛う事なきディストピアだと思う。この社会の人達は素の顔立ちと体格や声の違いと後は内面で人を判断しているのか、それが出来るのか疑問が尽きない。

 

今年も本を読みたいと思いつつ、気が向いた時にグッと引き込まれるように読んでそれ以外の期間は全く読まず、みたいな生活を送っていたので冊数は伸びませんでした。その分一つ一つはズッシリ重厚感のある読書体験だった気も。取り敢えず今は中国SFの「三体」がめっっっちゃ気になってるのですが、長いシリーズらしいので取り敢えず文庫化を待っています。町田康のギケイキが面白すぎて2冊とも単行本で買っては次を待っている状態なので、もうその二の舞にはなりたくないです。他力本願なので是非皆さんのオススメの話が完結している文庫本教えて下さい。