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オーシャンズ8が様々なステレオタイプを破っていて面白い

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こちらの記事を拝読して、めちゃくちゃ観たくなったので劇場に足を運びました。

サンドラ・ブロックケイト・ブランシェットは兎に角めちゃくちゃカッコイイし、リアーナはキュートかつゴージャス、ヘレナ・ボナム・カーターは人間役で流石の演技だし、アン・ハサウェイは最高にチャーミングで美しい!もうそれだけで観る価値があるのですが、それ以外に言いたい事は上記の記事で殆ど書かれているので、未だご覧になられて居ない方は一旦読んでそのまま劇場へGOして下さい。

今回は、それ以外で個人的に思った事を書いていきます。

 

①女ばかりのチーム。でもミサンドリーを拗らせていない。

この映画は色々宣伝されている通り「オーシャンズシリーズの女版」ではあるのですが、こういった女性のチームものにありがちな、男性社会からの抑圧というようなマイナスな描写はありませんし、男性全体への反逆といった物語に収束したりはしません。シンプルに女達が盗む、それだけです。一応主人公の元彼への復讐という要素もあるのですが、ほぼサイドストーリー的な絡みといっていいし、あくまで「元彼」への復讐であって男性全体への憎悪という文脈ではありません。そもそもターゲットのダフネ・クルーガーは女優だし、良い意味でも悪い意味でも利用できる者は男女問わず利用するという考え方が清々しいですね。

このカラッとした爽やかさがこの映画の特徴です。湿っぽい前日譚も殆どないし、女同士のドロドロした人間関係もない。楽しくユーモアを交えながら合理的にスマートに計画を遂行する。とにかく観ていて楽しい。

 

②色々な境遇の登場人物が集結

様々な年齢や人種の女性達が集まったチーム。それぞれが過去にどんな繋がりがあって集結に至ったのかは詳しく描かれていません。全員がプロの犯罪者というわけでもないし、初心者が試行錯誤する話でもありません。前科持ちから軽犯罪級、全くのカタギなど犯罪者レベルも様々。それがどちらかがどちらかに従属したり卑下したりする事もなく、各々の立ち位置で任務を遂行します。カタギの人物がカタギの時にしか得られない技術や立場で替えの効かない任務を行うのも面白い所。

そして誰一人ポンコツが居ない!ちょっと足を引っ張りそうな感じがしたヘレナ・ボナム・カーター演じるローズもいざとなったら肝が据わっている。流石に一時代を築いたデザイナーは違う。

 

③ 比較的有名じゃないキャストもめちゃくちゃ良い

メインキャストは冒頭で列挙した人物の他にも3名いるのですが、あまり海外ドラマなどを観ないこともあって存じ上げませんでした。

でもこの3人がとても良かった!元々誰だか知らないからよりその人にしか見えないのもあるけどやっぱり上手いと思う。

まずサラ・ポールソン演じるタミー。個人的に一番役立ってたし功労賞進呈したい。分け前増やしても良いと思う(それをして揉めないのがこのチームの良いところだろうけど)。盗み関係なくああいう社会人になりたい。

ミンディ・カリング演じるアミータはインド系のカタギのジュエリー職人。リーダーシップを取るタイプではないけれど、与えられた役割に忠実でありながら柔軟性があって捌けたところもある感じがとてもチャーミングでした。

そしてオークワフィナ演じるコンスタンス。凄腕スリという役所。めちゃくちゃステレオタイプな事をいうと、こういう東アジア系の人がハッカー役で黒人系の人がスリという配役がありがちな気がするのだけど、そういうステレオタイプも軽やかにぶち壊してるなぁと思います(この辺はまあ実際のアメリカ社会がどうなのか、という話と関わりそうなのであんまり突っ込むつもりはないのだけれど)。このコンスタンスの役がさりげなく惹きつけられる。抜け目なくちゃっかりしていて飄々とした性格が、ただ歩いているだけのシーンでも表情から分かる。そしてストリート感がある。と思って調べたらラッパーとの事でした。

映画の時は比較的地味で素朴な見た目だと感じていましたが、ラッパーの時の装いは結構印象が異なります。

 

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抜け感があって可愛い。(この曲を公開して職場をクビになったらしいけど何となく歌詞が職場をクビになりそうな感じだ…)映画クレイジーリッチを観たかったのだけど、こちらにも主人公の親友役で出ているみたいなので楽しみ。

(クレイジーリッチの主人公を演じる女優はコンスタンス・ウー。コンスタンスってアジア系アメリカ人女性に多い名前なの?)

 

④とにかく展開が面白い

大筋のストーリーは消化し終わったかな、と思っても物語は続いていく。目が離せないし時間感覚がなくなります。そして、犯罪計画も物理的な隙を突くだけでなく心理的・構造的な隙を突く感じが絶妙。

 

⑤眼福

皆んな言ってるけど、メットガラが最高。目に楽しい。こういうゴージャスで非現実な世界観は是非劇場で観るべし。

 

というわけで色々述べたのですが、ストーリーとして破綻なくとても良くできているし(実現性云々とかは本当に言うだけ野暮)、ポジティブなパワーに溢れています。難しい事は考えなくてもいいし適度なドキドキ感はあるけど本気でハラハラ心配しなくてもいい安心感。これは元気な時も疲れた時もどちらでも良さそう!DVD買おうかマジで迷ってます。

 

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