ネイルズインクが好き過ぎる
ネイルズインクがルクア大阪に出店したと聞いて行ってきました。
ネイルズインク (NAILS INC)はロンドン発のファッションネイルブランドです。モデルのアレクサ・チャン※1がプロデュースした商品が発売されたことがきっかけで知ったのですが、その時の「ファブリック」シリーズはレザーやカシミア、レースなどのファブリックの素材感を再現したものでとても画期的でした。そして当時梅田にあったOPAQUEで扱っている事を突き止め、「カシミア」を購入しました。ザラッとした表面の質感自体新鮮だったのと、不器用な私でもムラなく塗れそうという理由で選びました。色に奇抜さはないものの、少し他とは違う感があって嬉しかったものです。
それまでもネイルをする事はありましたが、どちらかというと控えめなローズやベージュなどが多く、ネイルを塗っているかどうかではなく、爪や手が綺麗に見えるかどうか、という観点で選んでいました。もちろんそれも良いのですが、ネイルズインクを知って以降「明らかに人工的に施している」というタイプの色も選ぶようになり、楽しみが広がりました。
暖色系の自然なカラーは上品だし、少し欠けたり根元が伸びてもそれほど気にならず重宝しますが、私の場合は手の甲が日焼けをしやすいので、馴染み過ぎたり変に浮いたり、結構繊細に合わせていかないといけません。なのでガッツリ色が入っている方が却って力技で誤魔化せる感じがします。また、ネイルをする人の心理に「爪は自分の視界の中に入りやすいからこそ満足度が上がる」というものがありますが、色が付いているとより自分でも認識しやすい上、対外的にも「ネイルをしている人」になれた気がして機嫌よく過ごせます。
ガッツリ人工的な感じが良いけれどそこまでビビッドにしたくなかったので寒色系のグレーを使っていたら評判が良かったです。※2
さて、初めてネイルズインクを購入した梅田のOPAQUEが閉店して悲しみ、銀座で売っているのを発見し大興奮して買い足した私が、今回の関西圏でのネイルズインク復活の報を聞いて行かないわけがありません。
寒色系グレーも気に入っているのですが、服がグレーだと同化するので他の色も欲しいと思い、若干赤みのあるグレージュっぽい色にしました。
左が以前に購入した「ハイドパークプレイス」、右が今回購入した「ポーチェスタースクエア」※3 一見ほぼ同じに見えるかもしれませんが全然違うのです。
爪の上に塗るので、塗った直後は想定よりピンクに近い色になっておやっと思いましたが、トップコート※4 を塗って落ち着かせるとしっくりきました。暖色寄りになった事による爪の根元との馴染みと手にしっかり装飾を施している感のバランスが良く満足しています。
そしてこのトップコートがすぐ乾くし剥げにくいし有能です。
こういう文章は本来美人が書いた方がネイルズインク様側も嬉しいのかな、と卑屈な気持ちになったりもするのですが、世の中美人ばかりじゃなし、平凡な生活を送る人々のちょっとした癒しになったり自負心になったりするネイル、やっぱり素晴らしいなと思います。
とにかく関西圏に復活したのが嬉しいのでまた行きます。今回は比較的優しげな色味なので今度はガッツリ深めの色にしようかなと思います。
※1 アレクサ・チャン氏を知ったのは当時よく聴いていたArctic Monkeysのボーカル アレックス・ターナー氏のガールフレンドとして、だったのですが、それとは関係なくリアルクローズの着こなしや容姿でアレクサ・チャン氏が好きです。
※2 このグレーが欠けたけれど直す時間が無い場合、友人から頂いたウカのラメベースコートを塗っています。ありがとう。これで延命できます。ちょっと宇宙感が出ます。
※3 商品名がロンドンの地名になっているのもお洒落です。が、若干探しにくい 笑
ライブハウスを無軌道な計画で楽しむこと
いよいよ2018年度が始まりました。私はと言えば、土日に連続でライブハウスに行くという充実週末が終わり虚脱感に包まれています。
二日連続でライブを観に行くというのは初めてだったのですが、思えばこの一年間、その他にも割と無茶をしてきたのではないかと思い至ったので、どのパターンが一番無理なく楽しめるのか振り返ってみたいと思います。
カレンダー通り土日祝が休日となる生活をしているので、普段は土日のどちらかに日帰りの距離(通勤通学の人がいる距離)で行けるライブに行っています。1ヶ月に複数回行く時もあれば2ヶ月くらい開く時もあります。積極的にライブに行きたいと思うバンドは複数いますが割と絞り込んでいる方かと。今のところ片手で収まるか収まらないかくらい。基本的にはチケット発売日前に情報を得ることが多く1、2ヶ月前には予定を確定させるという、全体的に緩やかで無理のない楽しみ方だと思っています。
おそらく、平日休日問わず行けるライブは行く!という方や同じアーティストのツアーは出来る限り全通する!という方々から見たら生温いと思うのですが、かなりの出不精で土日休みのどちらかは家に居たいタイプのライブハウスビギナーのお話として受け取って頂けると幸いです。
①深夜のイベントからサーキットフェス
はじめの項目なのに一番無茶です。私の住む都市で行われるイベントに友人と2人で出掛け、一旦私の家に帰宅。昼過ぎに友人が住む都市の方のサーキットフェスに参加、という流れです。イベント自体もそうですが友人とわちゃわちゃ楽しむという一連の流れが楽しかったですね。(こんな無軌道な楽しみ方が出来るのも今だけかもしれないし)
帰宅してから翌日どのように会場を回るかを相談するのも一興です。
参加したイベントはDJが居るクラブイベントにバンドが出演するというもので、イベントの音楽的な趣旨自体は好きな感じだったのですが、やはりライブハウスとは勝手が違ったりで要らないソワソワを感じたので今後は積極的には行かないかもしれません。あと何より眠い。
サーキットフェスは自由に外を歩き回れる為、疲れたらその辺のお店で休めるので良いですね。色々と見れるので楽しいですが、割と見たいバンドの時間が被りがちだったり、会場の移動に時間が掛かったりするので計画性は必要です。ライブハウスが密集している都市で行われる為、郊外のフェスと比べ交通やトイレの心配は無くて安心です。ちなみに、あるバンドを観ている時に救急車を呼ぶ事態となり結構怖かったです。その後は他のバンドでも逐一MCで注意喚起をしていたのが印象的でした。
このパターンに関しては、体力的に厳しいですね。
②平日の仕事終わりに行く
平日だと学生さんや出演バンドの知り合い、めちゃくちゃ熱心なファンの方などいつもと客層が違った雰囲気だったり、1人参加の人が少なかったりでまたしても要らないソワソワを感じてしまいました。要らないソワソワ案件、完全にこちらサイドの問題で慣れの問題だとは思っているのですが。後は職場環境にもよるのですが、間に合う時間に会社を出れるか空気を読んだり、仕事で想定外の対応をしたりといった事で精神が摩耗した状態で行くとなんか心の折り合いが付かない時があるので、自分にはあんまり合ってないのかもしれません。でも仕事終わりの目標にして頑張るというのも分かるし、私も仕事でイライラし過ぎて衝動的に行くと決めてしまう可能性もあります。
③推しているバンド同士の2マンを観に連休に東京遠征する
普段遠征はしないのですが、三連休の中日かつ最も推している2バンドだったため行かざるを得なかったです。東京でというのも物理的/心理的、どちらのハードルも低かったです。ちなみに①の友人と行きました。本当に友達甲斐のある友人がいて感謝しかない。
実際のところ東京旅行の行き先の一つ、という位置付けとなったわけですが、楽しくない訳はなかったですね。めちゃくちゃ体調を崩していたのにライブを観ている間は持ち直しました。ライブの前は銀座で歌舞伎を観ていたのでその間座っていたから良かったのでしょうか。(歌舞伎にも興味が湧いたので南座早く復活して欲しい)
このパターンは中々機会がなさそうですが条件さえ揃えば行きますね。出来れば行ったことない観光地だと更に素敵です。
④昼間に別ジャンルのイベントに行き、夜にバンドのライブに行く
件の友人に誘われダンス系のイベントを見た後ロックバンドのライブへ。③で歌舞伎からのロックバンドを既に履行して居るので余裕ですね。結構お客さんの雰囲気が違っているのですがそれぞれにお洒落をしてきているのを見ると楽しいです。結局後から見たライブで記憶を上書きされるので先に見たイベントの印象は薄れますが。
⑤2日前に急遽行く事を決める
何ら問題なし。一度スルーしていたのに直前に思い立つということは寧ろ必要としているという事です。
⑥土曜日、日曜日と連続して行く
これが昨日と一昨日ですね。負担がなくてめっちゃ良いです。ちゃんと土曜の夜に帰宅し自分のペースで生活を維持した上で翌日の楽しみがある。体力をあまり消耗せず心が豊かになる。最高。ただ終わった後の虚脱感が凄いです。週明けにこんな文章を作成するくらいには。
正直なところ、自分のスタンスというかハマり具合が深いのか浅いのか客観的な立ち位置がイマイチ分かっていないですし、多分凄くライブに行っている人からみたら、本当に音楽が好きなのかと思われる節もあるかと思うのですが、①〜⑥今後行くかどうかは別として、全くのクソだったなと思った事はないのでやはりライブが楽しいのだと思います。
今まででやったことがないのが、同じ日の夜に相互全く関係ないライブをハシゴする、というものですが、流石に首都圏でもないと機会はないかもしれません。どうしても観たいとなったらおそらくしますが。
結局のところ催しの性質やライブの完成度により満足度は変わってしまうのですが、以上が条件面での比較と回想でした。
新食感のお菓子は正義
デスクワーク中に集中力が切れたり小腹が空いたら、引き出しに保管している小さなお菓子を食べています。グミとかチョコとか、いわゆる女子がよく持ってるアレです。
昨日コンビニで初めてブルボンの「とろマロ グレープ味」というお菓子を見かけて何の気なしに購入しました。
グレープ味のマシュマロとの事ですが「とろける果汁感」というキャッチコピーと瑞々しい葡萄の写真で新機軸感を全面に押し出した訴求です。
まんまと釣られて購入。元々マシュマロ自体も好きなので期待値は高かったのですが、実際に食べてみたところ予想以上の口溶け感と果汁感に感動しました!!
従来のマシュマロ特有の弾力感の無い歯ざわりでシュワシュワと実際に溶ける感じ。
パッケージに28℃以下で保存と注意書きがあるのも納得です。
そして果汁感も予想以上。開封した途端にグレープの香りが漂います。(ジッパー部分の真上に取っ手が付いていて開けられるタイプ。開けやすく切り口がギザギザせず親切設計)
味も単なるグレープ味もというより最早ジューシーです。よく売っている苺味やレモン味のほのかな甘味などとろマロと比べたら無に等しいかも知れません(暴論)。
とにかく新食感で口の中が衝撃なのですが、とりあえず幸せな気持ちになります。幸せ味。幸せを運ぶマシュマロ。
これで職場がピリピリしていたとしても、周りの人に分けて「自分達まで暗くなる必要は無いよね」という意識を穏便な形で共有出来ます。
今まで変わり種の駄菓子というと中高生などがメインターゲットというイメージを漠然と持っていましたが、そんな事はないですね。寧ろ私も今迄とまんまと買っていました。
某ガリガリしたアイスなどは話題性先行で発売開始直後に爆発的に売ろうという戦略だと思っていたのですが、結構こういったグミやチョコ系はひっそりと発売開始されています。やはり最初の物珍しさからの売り上げピークを過ぎても固定層を獲得できるクオリティが必要とされるのでしょうか。
個人的に、最初の衝撃を越えてもなおリピートしたい商品は下記の3つです。
コロロ
近年の中では新食感系商品の代表的な存在。色々な味がありますが、マスカット味が実際の果実一粒と同じサイズ感の為一番衝撃を受けます。
ピュアラルグミ 青リンゴ味
このシリーズはフルーツ毎に実際の食感に近しくなるように開発されているようですが、青リンゴ味が一番新しさのある食感でした。グミとギモーヴの中間のような感覚です。元々青リンゴが好きなのですが、品種特有のサクッとした柔らかめの歯ざわりがよく再現されています。
柿の種チョコ
既に定番化した商品ですが、初めて見た時はかなり画期的だと思った記憶があります。元祖といってもいいのでは。小学生の時から食べていたと思うのですがお酒を飲める年齢になって久しい今でも好きです。自分の中では完全にアテのポジションになってしまったので職場に置く気になれないのが残念ですが。
こういった新食感系の商品の開発フローがどうなっているのか興味本位で知りたいです。時には開発者の苦労に思いを馳せながら、楽しく食べてストレスを軽減したいですね。
映画ブラックパンサー鑑賞後の感想を思い付くままに(若干ネタバレあり)
映画「ブラックパンサー」を観てきました。
黒人の方々、あるいはアメリカ社会・多文化主義社会にとってエポックメイキングな存在であるこの作品、私としても歴史的な文脈での重厚感や快哉を感じましたが、おそらくその辺りの考察は既に素晴らしい記事が多々あるかと思いますので、ここでは表層的な感想をいくつか述べていきます!
※マーベルの話はしません
※物語の核心には触れませんがあんまり情報を入れたくない方はお気をつけください
・ざっくりしたあらすじ
アフリカの小国ワカンダはヴィブラニウムというレアメタルを拠り所にし随一の科学文明を築き上げて来たが、表向きは発展途上国として孤立主義を装い平和を保ってきた。このヴィブラニウムの秘密を守るためにブラックパンサーとして活動する国王ティ・チャラの話
・キャラクターの魅力
名前の付いた登場人物の中で、根っからの悪役として描かれる人物は白人の武器商人一人しか居ません。敵役となるキルモンガーはアメリカの黒人を象徴する役どころです。設定自体が現実離れしている対立ものの作品だと、敵役の行動原理が、作品としては社会的な問題提起と絡めていても物語としては突拍子も無い謎思想だったりしますが、ブラックパンサーではかなり説得力のあるシリアスなものとなっています。ブラックパンサーはキルモンガーの物語でもあります。それとは別の話として、初登場シーンの博物館のシーンのキルモンガーの出で立ちが清潔感あるのにストリート感溢れてマジで格好いいです。(イギリスの博物館って飲み物飲んで良いの?)
女性のメインのキャストは、強くて厳格な将軍オコエ、ギークを通り越して天才科学者の主人公の妹シュリ、一番世慣れていて熱い信念を持つヒロインのナキアがいます。
日本に住んで日本の作品を観ていると、登場人物が同じ日本人でそれぞれ異なる性格や立場で設定されるという事が当然過ぎて意識にも上らないのですが、娯楽作品の中で(少なくとも日本に入ってくる作品の中で)頭数として揃えるような形ではなく、全員他人である黒人女性が3人出て来てここまで描き分けられている、というのはすごく新鮮で時代が進んで良かったという思いになります。
この辺りのお話は下記のレプリゼンテーションという概念の記事がとても興味深いので是非に。(貼り付け方分からないからURLで)
https://www.fuze.dj/2017/04/representation.html
この3人が個性的でそれぞれ魅力的!3人が常に一緒に動くのではなく、それぞれの立場や考えでそれぞれの出来る事をしながら行動します。ナキアも素敵ですが、個人的には後の2人のキャラが濃くて印象に残りました。オコエは目力が強くて戦う姿が美しい。シュリは蓮っ葉な喋り方でチャーミングです。字幕版で見ましたが訳もその雰囲気が出ていて良かったです。
もう1人の白人の主要キャストにCIAのロスがいます。登場時は曲者感のある渋いおじさんでしたが観ているうちになんかこのおじさん可愛いなと思いました。よく見たらマーティン・フリーマンでした。結構おいしい役どころです。どうでもいいけどマーティン・フリーマンとマーティ・フリードマン(元メガデス)、名前の字面だけだとどっちがどっちか分からなくなるのは私だけでしょうか。
・映像や演出について
ワカンダ国の自然と文明が混在した街並みやアフリカらしい衣装が美しくて見応えがあります。未来でありながらスチームパンク的な魅力のある絵作りです。
音楽も場面に応じて、壮大で音楽の根源を感じさせるような所謂古代アフリカっぽい音楽と、現代的でクール、時に鼓舞させるようなヒップホップの二面性が楽しめます。とりあえずケンドリック・ラマーのCDが欲しくなったのでおススメ教えて下さい。
唯一のアジア要素が釜山を舞台にしたシーンです。釜山に行った事はありませんが、路地裏のエキゾチックさと表通りのカーチェイス時に見られる現代的な風景にリアルさがあり、カジノの部屋のスパイ映画っぽい虚構感とのバランスが良かったです。
リアルでカーチェイスする部分は迫力があり見応えありますが、遠隔操作でカーチェイス出来るのもワクワクします。というか何の責任もなく単純な遊びであの遠隔操作カーチェイスしたい。どこかのゲームセンターか某USJで出来るようになったら行きたい。
大型酒屋チェーンで休日を彩る
どこにも行く予定がない週末に退屈した時は、大型酒屋チェーンに行くようにしている。日常と隣り合わせのお手軽なアミューズメントパークだとすら思っている。
だいたい2〜3ヶ月に一回程度通うのだが、特別混雑していたことは一度もなくとても快適である。お酒を飲めるのであれば退屈凌ぎに非常にお勧めなので、今回は超個人的な大型酒屋チェーンの回り方と注意点を記していきたい。
出かけるに当たって
瓶や缶に入った物を複数購入する事が予想される。歩きやすい靴、商品以外は背負えるようにリュック、なければショルダーバッグで。重い商品が入っても破れないエコバッグなどを持参すること。
店内の回り方
①入店後、先ず入口のすぐそばにある その日の目玉商品をチェックする。目ぼしいものがあればこの段階で確保してもいいが、無くなる心配がなく重いものなら後述の⑤と⑥の間に取りに来る事が多い。
②ビールやカクテルなど軽めのアルコール飲料が冷えている棚に移動。ここで目新しい銘柄など気になる商品の目星をつける。この時点ではカゴに入れない。たまに安価で見た目の綺麗な飲料が置いてあり買いそうになるが、そういう場合はノンアルコールだったりするので要確認。冷えた棚に置くべきおつまみも置いてあるのでチェック。
③ウィスキーが好きなのでウィスキーの棚へ。ここで一番時間を費やす。予算によるが大抵スペイサイドのシングルモルトを購入。というか大抵グレンフィディック。たまにスペイサイド以外のハイランド系も。いつも忘れた頃に来店するので、念の為スマホで味を調べてから決める。アイラ系は最初は良いけれど飲み続けると飽きがくるので外食時に飲むに留め自宅用の購入は避ける。ここでウィスキーはキープ。サンプル用の瓶の空箱があるので、ちゃんと中身が入っている箱を取る。この作業を行う為、この時点では籠が空になっている事が望ましい。
④気が向けば日本酒のコーナーへ。値札だけ見るとウィスキーに比べてグンと安価に見えるのでうっかり買わないように注意。味に関する説明が値札部分に書いてある事が多いので、よく読み吟味の上それでも飲みたいならキープ。
⑤食品コーナーへ。変わった乾き物、スーパーであまり見ない銘柄のお菓子、ナチュラルチーズなどを見る。賞味期限に注意しながら選ぶ。特に使う予定もないオイルサーディンやオリーブの瓶詰めを買わないように注意。
⑥最後に軽めのアルコール飲料の棚に戻って購入する商品を確保。結局はコンビニで買うより安いからという理由で安定のハイネケンになる事が多い。
⑦精算して持参したエコバッグに商品を詰め退店
こういった大型酒屋チェーンに来る時は大抵がフラットな精神状態というかややダウナー気味の状態であるが、店内を徘徊していると内心テンションが沸々と上がってきて退店時には爽やかな気分になる。お酒が飲めない、興味が全くない方にはお勧めできないのが残念だが、成城石井などの高級スーパーに行くと近似値のワクワク感が得られるのではないかと思っている。
好きなものでマウンティングする事(と選民思想的なセグメントについて)
おそらく語り尽くされ手垢に塗れたこのテーマについて今更私が何かを言う必要もないのかもしれませんが、インターネットで生じたモヤつきはインターネットで解消しようと思い立ち文字を打っています。
先日から、「人口に膾炙しない要素のあるコンテンツを楽しめるかどうかは、受け手の質を定義出来るのか」そして「定義出来るものとして、それでセグメントする事は誰かの利益になるのか」という事を考えています。
きっかけは、あるサイトで私の好きなバンドが紹介された事なのですが本論とはあまり関係がありません。バンドを扱った記事としても色々と感想を持ったのですが、そうではなく記事全体から来る雰囲気というか構造に何となくザラッとした気持ちになったというお話です。(広告媒体ではないメディアに好意的に取り上げられる、という事自体は嬉しかったのですが)
論の展開としては、取り上げるバンドを人口に膾炙しないコンテンツと位置付けた上で、リスナーの姿勢を問う、という流れだったのですが、特定のライト層へのマウンティング意識を感じました。
その数日後、同じ媒体で同じような展開の記事が公開されるに至って、こういった選民思想的な訴求ってどこにセグメントしていてちゃんと効果を上げているの?という疑問を持ちました。
個々の記事の妥当性云々や日頃のコンプライアンス的に行き過ぎた言い回しについて言いたい事もあるのですが一旦脇に置いて、当該サイトの過去の記事を遡って読んでみた所
・記事はあくまでも個人の偏った意見である事を前提に自分が良いと思ったものを推している
・有名アーティストについての記事も掲載し、ライト層の注目を集めるようにしている
というスタンスが何となく分かりました。その他にも、記事を書く時や何かを紹介する時の責任、他ジャンル同士のマウンティング、新規層の参入障壁などフックのある議論もあり興味深く読みました。言っている事は理解出来るし結構共感出来る。
当たり前なのかもしれませんが、めちゃくちゃ自覚的。
もう私のような音楽的素養も知識も無い者が言うべき事はないのかもしれません。
でもその上で、マウンティング色の強いアプローチって単純に勿体ないと思いました。
話が飛躍しますが、私は個人の好みとしてラーメンが特別好きではありません。豚骨ラーメンは食べられません。
頑固親父のいるこだわりの店よりそこそこの小綺麗な店に行きたい。
仮にそういう小綺麗な店に行く計画を立てている時に「そんな店は邪道だ」「豚骨ラーメンが食べられないなんて人生損している」などと口を出されたらめっちゃ嫌です。寧ろ絶対行かない。
そういうマウンティングで玄人向けコンテンツだと標榜する事は、ライト層を遠ざけ余計な時間を費やさせないという点では、もしかしたら優しいのかもしれません。
まあ、今はラーメンを試食するよりはるかに簡単に音楽が視聴出来る時代です。別に誰がなんと言おうと聴いてみて合う合わないを判断すれば良いし、私が知らないだけで意外と「我こそは玄人向けコンテンツの良さが分かるぞ!」という漢気溢れるリスナーにセグメント出来ているのかもしれません。そもそもレビューの文体の印象で左右される層はハナから相手にされていないかもしれない。
でもやっぱり勿体ないと思うんですよね。私自身、サブカル典型のイノベイターみたいなバンドマンがSNSで言及した事によって、典型とは対極にあるような別バンドの存在を知って嵌ったし、件の記事のバンドも更にそこから情報を広げていった先で知る事ができました。別にコンテンツがトレンドに即していようがそうでなかろうが良いと思ったら両方嵌まれる。
一度人口に膾炙しない界隈に突っ込んでみたら色々楽しいのに、なんか感じ悪いバチボコ選民思想なレビューで追い払ったら機会損失です。
今回はたまたま音楽でしたが、他の文化的なコンテンツにも当てはまると思います。ゴッホ展が来たら観に行くし、でも床に枕が沢山ズラッと並んでるみたいな展示も観に行きたい。
敷居を高くしたブランディングで消費者のステイタス感を煽る戦略はものによっては合致しますが、文化的コンテンツにおいてプラスに作用するのは稀なケースな気がします。いずれにしても外側からレッテルを貼るものではないと思うのですが。
色々宣いましたが結局のところ私は、好きなバンドとそのファンがよく分からないマウンティングに巻き込まれている構造が愉快じゃない、という事と「そんな事ないもん、推しは人口に膾炙出来るしマジで」という事が言いたかっただけなのかもしれません。
歯に衣着せない発言をすればバズるし媒体力が増すのは分かるんだけど、昨今の情勢でミソジニーなセンスを絡めるのって悪手でしか無いような気がする。趣味的な評価軸は自分と合っている媒体なのに残念。
とは言え私自身も結構マウンティング体質です。空いている美術館が大好きです。何かを選択する事は選択しなかったものと表裏一体で、無意識に何かを無碍にしていると思います。他人が好きなものは否定しないようにしようと思っているのですが、きっと数週間後には「米津玄師はLemonもいいけど結局爱丽丝 だ」とか言っていると思います。
爱丽丝 は格好良いからお勧めするのは止めようがないので、せめて混んでいる美術館に文句を言ったり、書店で話題作と通っぽく見える本を一緒に購入するのを止めたいです。
原作ファンにも役者のファンにも映画「去年の冬、きみと別れ 」をお勧めしたい
中村文則氏の小説を原作とした映画が極めて商業的な雰囲気でプロモーションされている、という事に気付きとても気になっていました。
元々中村文則氏の小説は何作か読んでいましたが「去年の冬、きみと別れ」は未読でした。というのも、中村文則という作家は今でこそデビュー時と比べ比較的リーダビリティの高い作品を多く書かれていますが、私の中でかなりの正統派な純文学作家、というイメージがあったため、タイトル※1の時点で何となくあんまり好きじゃない方向性(重めの純愛物語的な)に行ったのかなぁと思い込んだのです。
ところがここに来ての映画化、主人公は岩ちゃん※2こと三代目JSBの岩田さん、ポスターも登場人物多目でよく分からないテイスト、どんな話なのか俄然気になって調べてみました。
調べた所まさかの叙述トリックものとの事。ネタバレ読んでしまったけどめちゃくちゃ面白そう。早く言ってよ⁈という自分勝手な気持ちになりました。だって芥川賞作家が直木賞作家みたいな手段でエンターテインするとは思わないじゃないですか。
興味を惹かれたものの、正直良くも悪くも好きでも嫌いでもないキャスト陣だったのと、叙述トリックのある作品の映像化は無理矢理感が出そうなので放置していました。が、FM802で野村雅夫さん※3がその叙述トリックの処理の仕方を評価されていたので観に行く事にしました。
特別に原作やキャストに思い入れがないけれど気になる作品こそ、実は自分にとっての名作になりうる事はドラマ「カラマーゾフの兄弟」※4で学んだからね!
休日の映画館は混んでいたのですが、この作品のスクリーンは空いていました。わーい。
岩ちゃんのファンだらけだったらどうしよう「ワタシどちらかというとフミノリのファンです」みたいな顔しようかなとか考えていたけど無意味でした。作品自体を観に来た一人客の方も多い印象でした。
観た感想としては、映画として凄く良かった。映像としての美しさだったり視覚的に印象に残る絵作りだったり。トリック部分もちゃんとヒントになるような違和感を残す演出でフェアだと思いました。文章媒体でしか成立しない叙述トリックを処理する脚色も、原作から筋としては大きく掛け離れない物で寧ろこれ以外の解決策は思いつかない。
後から思い返すとおやっと思う点がない事もないですが、総合力で帳消しです。
キャストの皆さんも良かった。山本美月ちゃん※5も浅見れいなさんも美しくて惚れ惚れするし土村芳さんも可憐だし、それでいてその役柄にしか見えない。
岩ちゃんも造形としてはイケメンの筈ですが、映画上はイケメンというより普通にルポライター。若々しいイメージがあるので20代前半か半ばくらいかと思っていたのですが29才なんですね。役柄もおそらく30才前後だと思うのですがもちろん違和感はありません。
斎藤工さんはやはりスクリーン映えしますよね。そしてああいうアウトローっぽい役が似合う。個人的には好きでも嫌いでもないのですが、前述のカラマーゾフの兄弟など純粋に良いなと思う作品によく出演されているので、客観的に凄く良い俳優なのかもと思います。
というか、良い作品を観ると出演しているキャスト陣の好感度上がりますよね。
その後すぐに書店で原作小説を購入しました。冒頭から読んである意味安心したのが、登場人物達がちゃんと中村文則作品の住人だと分かる語りをしているところ。全然斎藤工とかじゃない。中村作品の人は内省的で独自の観念に囚われている事が多いのですが、映画では良い意味で削ぎ落として分かりやすい表現に置き換えていますね。それ以外にも上手く映像化に際して煩雑になる要素は削った印象です。
原作の方はやはり複雑な内面の描写、思わせぶりな会話、トリックに満ちた重層的な表現など文字媒体ならではの醍醐味があります。
最近めっきり機会が減ったとはいえ趣味は読書の私、割と好きな作家の小説を映画の方から先に観る、というのはなかなかイレギュラーな体験だったのですがアリだなと思いました。
興行成績はそこそこ良いようですが思ったより少なかった客足、LDH系の役者と陰鬱そうな原作というタッグによりお互いのファンが敬遠※6しあっているのであれば勿体ないです。現に私は岩ちゃんの演技良いなと思いましたし。
「去年の冬、きみと別れ」の映画に関しては、面白いので原作ファンも役者さんのファンも、どちらでもない人も是非観てくれたら良いなと思います。
※1 中村さん、作品のタイトルを付けるのが下手だから自分では付けないって以前おっしゃっていましたけど今回誰が付けたんですかマジで下手かよ(失礼)。このタイトルに関しては結構ちゃんと意味あるので完全に私の偏見のせいなのですが
※2 LDH系列のグループに興味を持ってこなかったのですが、3代目JSBとジェネレーションズの違いをあんまり分かっていなかった自分に愕然としました。時代に取り残される。岩田さんに関してはこの映画の宣伝で出演された番組で、知的な受け答えをされるなという印象でした
※3 毎週金曜日放送「Ciao!MUSICA」にて
※4 未だに小説は読んでいないのですが、ロシア特有の宗教要素を排し翻案した良作かと。というかとにかく音楽が格好いい。御屋敷も格好いい。吉田鋼太郎氏を知ったのもこの作品(ニガミ17才の平沢あくび嬢が女優として一瞬で出ているのも個人的ポイントです)
※5 ほんの一瞬だけ、斎藤工さんとのシーンで火村英生先生と貴島朱美ちゃんだ、と思ってしまいました
※6 音楽性が違いすぎるバンド同士の対バンで「今回はパスかな」となりお客が少なくなる現象に似ている
- 作者: 中村文則
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2016/04/12
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