思念が奔逸中

情報発信の体裁で雑念のみ垂れ流します

ホンダ車「ジェイド」と米津玄師「LOSER」タイアップの違和感は確信犯か

 


JADE「NEW STYLE WGN」篇 30秒

先日から、米津玄師の「LOSER」がタイアップ曲となったホンダのジェイドという車種のCMが流れています。

車が必ずしも勝ち組の象徴ではなくなって久しいと言えど、敢えて負け犬を意味するLOSERという曲が起用されるという現象に世の中の風潮は分からんわ、という気持ちになりました。曲調には疾走感があるとか、曲全体ではポジティヴなメッセージを発信しているという問題では無いのです。ハッキリと「アイムアルーザー」とキラーワードが聞こえ、LOSERとクレジットされる事のインパクトの問題です。(とはいえlemon=ポンコツ車は流石にアウトだろうな…)

 

こんな記事を書いていきますが、決してホンダを敵対視している訳ではありませんし、寧ろLOSERという曲は好きです。米津玄師氏の曲の中では爱丽丝 の次に好きかも知れません。

 

爱丽丝 については下記の記事をご参照下さいませ。

malily7.hatenablog.com

 

そもそもタイアップ曲の歌詞やタイトル以前にこのCM、全体として違和感しか作用しない作り方をしているように感じます。正直私は車に興味が無いので的外れな分析になるかも知れませんが、マス媒体でCMを流すという事は購入を検討すらしていない層の関心をも惹くのが目的のはず、と開き直って己の感覚を信じていってみます!

 

車のCMというと主に二つの典型的な型※1が想起されます。

①メリット列挙型

「バックモニター付き」「三列シート」など具体的な特長を丁寧に映像化・言語化して伝えるタイプのCM。走る事そのものやステイタス感よりも、安全性や利便性を重視するファミリー層や女性がターゲットの車種に多い。ターゲット層と同一化しやすい出演者を顔が見える形で出し、親しみやすい印象になりやすい。

タントのCMが象徴的


TVCM タント 「高級レストラン」篇(15秒) ダイハツ公式

 

②イメージ訴求型

走る姿を俯瞰で撮影した映像を用い、疾走感やクラス感などの購入対象層が好ましいと思うイメージを訴求。

米津玄師氏のリスナー層と被りそうなアーティスト※2 の曲を起用したこのタイプの例

MINIのCM  

[ALEXANDROS] I Don't Believe In You


MINI Hatch F55/56 15s TVCM

 

疾走感と小回りの良さを端的に訴求。[ALEXANDROS]の都会的なイメージともマッチしています。曲は英詞なので[ALEXANDROS]を知らない視聴者からすれば格好いい洋楽扱いで認識されそうです。実際のところは分かりませんが、洋楽に高い使用料を使うのなら楽曲として同じクオリティで同じ効果が得られる国内のアーティストを起用した方が良いし更に拡散力も期待出来そうです。

 

この②をベースに①のターゲット層の自己投影を促す手法をとったのがこちら。

ダイハツ トールのCM

レキシ KATOKU


レキシ〖池田貴史〗トール ダイハツCM 「成長記念日 納車」篇 15秒 Rekishi Takafumi Ikeda DAIHATSU Thor

 

イメージ的な訴求でありながら購入対象層がシチュエーションを想定、共感しやすい作りになっています。家族向けの商品に合わせ家督をテーマに書き下ろした曲、かつレキシ氏も出演という音楽ナタリーとかを読む層にはニュースバリューのあるCMでもあります。

 

ここでジェイドのCMの要素を振り返ってみます

⑴自宅風の小綺麗な建物から出発、荷物を積むシーンでトランクの広さを示唆

⑵出演者は30代くらいの男女、男性は欧米系、女性は東アジア的な容姿(もしかしたらハーフかも)ですがあまり顔が見えず女性の方を辛うじて認識できる程度

⑶街中からトンネルを抜けて自然溢れる道路へ。全体的に外国風の風景

⑷黄昏時に自宅とは別の建物へ到着。降車して歩く後ろ姿 ※3

 

これらを踏まえると違和感の正体としては下記のことが言えそうです。

▪️⑴の尺が長めで説明的な所作だったため第一印象が①のメリット列挙型であったのに、車が走り出したら⑶の時点で②のイメージ訴求型に切り替わった点

トールの場合は②に①でよく使われる「手法」を取り入れましたが、ジェイドは場面展開で①と②の両方を取り入れたため視覚的な違和感が生まれたように思います。

▪️CMとして②を基調としている割には、登場する男女へフォーカスする部分が多い点

MINIのCMで一瞬顔が映る欧米系の運転者に自己投影する視聴者はほぼいないと思われますが、ジェイドの場合は絶妙にターゲット層を意識しているようなしていないようなキャストを起用、CMで描かれるシチュエーションと自分達の生活を重ね合わせられるような演出も含まれています。

▪️映像の雰囲気と曲調が合っていない

⑶の特にトンネルを抜けてからは明らかに海外を思わせる風景となっていますが、それに対し米津玄師氏の発語のキレがいい日本語の歌唱が合わさるため何となく噛み合わない印象に。

また個人的には、LOSERの曲調であればもう少しスカッと晴れ渡った青空の下か都会的な夜の方が合うように思います。というか地下鉄が一番似合う。CMでは曲調に対して、特に⑶から⑷にかけてクラス感寄りで絵面がしっとりし過ぎているように思われます。

 

色々述べて来ましたが、ではホンダは何も考えずにこのCMを作ったのか、というとそうではないはずです。元々ホンダのCMは音楽のセンスが良いとされていました。記憶に新しいところでは2016年秋にヴェゼルという車種のCMでSuchmosの「STAY TUNE」が起用された事でしょうか。

bunshun.jp

前述したMINIのCMは2017年秋からの放送でしたが、2015年以降[ALEXANDROS]は複数社のCMタイアップ実績がありますから特別意外性のある起用ではありません。※4

それに対してSuchmosが2016年に頭角を現し当該のSTAY TUNEが最も有名(寧ろそれ以外はあまり知られていない)という状況だった事を鑑みるとかなり先進的だと言えます。

www.google.co.jp

 

では今回Suchmosに味をしめてこれから来そうな(にしては乗り遅れてるけど)若手アーティストを起用したのかというとそうとも言い切れません。

現在まことしやかに囁かれているのは、ホンダが今回のマイナーチェンジを機にこれまで人気がなかったジェイドという車種の起死回生を図り、その思いをLOSERという曲に託している、という説です。そういう文脈で捉えれば、LOSERの全体としては前向きな歌詞とマッチしていると言えます。

今回のマイナーチェンジでは二列シート+広めのトランクというタイプをメインに据え、ターゲット層も30〜40代の既婚子無しの男女に設定しているとの事です。地に足がついており、「車」が人生において必ずしも高いプライオリティにない層の印象に残るために、流行りの曲を使用しつつ敢えて違和感を残すという手法は確信犯だったのかもしれません。一見要素が多く中途半端な印象のあるCMですが、どういう層がターゲットとなっており、どういう内装・外装、機能があるかは過不足なく伝えられています。一度記憶に残ってしまえば、十分に比較検討の対象に入れてもらえる余地があり、CMとしてはコンバージョン率が高そうです(何がコンバージョンとして設定されているかは知りません。コンバージョンって言いたかっただけ)。

少なくとも、一視聴者がこんな考察記事を書いてしまうくらいにバリバリ印象には残ります。残念ながら、私は全く自動車の購入をする予定が無いので売り上げには貢献できないのですが。

 

 

※1 他に、「CVT」「エコカー減税」などの用語を視聴者に周知させるためにタレントやキャラクターを用いるパターンもありがち

※2 FM802を営業車で聴いている勢

※3 最後の建物が何の施設がよくわからないのですが、初見でホンダのディーラーだと思い込みました。まさか車がlemonだから…ではなくアフターサービス承ります的なサブリミナルかと思いました

※4 MINIというかBMWは元々ブランド力があるので冒険をせずとも普通に格好いいCMを作るというスタンスで問題ないように思います

 

「凪のお暇」を読んで真似をしてみた事

最近ネット広告や色々な方のレビューなどで「凪のお暇」という漫画を良く目にするので、気になって遂に読んで見ました。

 

凪のお暇 1 (A.L.C.DX)

凪のお暇 1 (A.L.C.DX)

 

 

 

ざっくり粗筋を述べますと「色々空気を読みすぎてしんどい思いをしている28歳のOL凪が、過呼吸で倒れた事をキッカケに全ての繋がりを捨てて退職!ボロアパートに移り住んでからの新しい人々との出会いや発見を描く作品」です。めちゃくちゃ粗すぎて語弊がありそう!

 

読む前の印象だと、日常の小さな幸せや、主人公の会社員時代の価値観からの解放や成長、を中心にほのぼのとしたタッチで描かれるのかと思っていました。勿論そういった場面もありますが、意外とリアルで人間のエグい部分が描かれています。人間関係なり社会なりの闇部分、かなり網羅されている気がする。※1

登場するキャラクターはだいぶ極端に描かれています。「あー、こういう人居るよね」を極限まで煮詰めた、ステレオタイプを狙ったイメージです。どのキャラクターも極端であるが故に、それぞれ部分的に共感出来る場面※2 があったとしても肩入れし過ぎず客観的にストーリーを楽しめ、しんどくならず気楽に読める所もメリットだと思います。

主人公の凪ちゃんは優しくて意外と器が大きくて、読者としては応援したくなりますが、かなり気弱で流されやすいタイプ※3 です。もし実際に自分の周りにいたらイライラしていたかも知れません。(節約が趣味でカイワレを育てている凪ちゃんと、2回目のカイワレを食べるための育てる手間や時間を、新しいカイワレを買う60円で買うたるわと思う私は相容れない)

 

というわけで、当初得られると予想していた癒し効果やポジティブになれる作用はそこまで無かったのですが、人に対する洞察が興味深いしストーリーがめちゃくちゃ気になる漫画です。

 

さて表題の件ですが、客観的に読んでいる筆者でも心奪われるコマがございました。

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めちゃくちゃ美味しそうじゃないですか!?ウィスキーとチョコミント、好きなものの組み合わせ。凪ちゃんとは飲めるチョコミン党として相容れられそうです。※4

という事で作ってみました。ハイボールのチョコミントアイス乗せ。

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炭酸のシュワッとした喉越しとミントのスッとした爽やかな味わいがマッチします。ウィスキーの滋味がアイスの甘さで引き立ちます。これは美味しい!これはおススメです。ウィスキーが苦手な人でもこれは試す価値があるかも知れません。フロートがめちゃくちゃ好きな訳では無いのでこの食べ合わせで別々の食器に入れて楽しむのが一番良いかも。

 

こういったアルコールのレシピはほとんど出てきませんが、DIYや生活の知恵的なものは結構学べそうな漫画です。皆様も機会があればご一読いかがでしょうか。

 

※1 本筋と関係ないけれど、主人公が勤務していた会社、端的に嫌な感じの会社では?全体的に人が嫌な感じというか民度が低いというか。普通過呼吸で倒れた人を称して無様な犬みたいとか冗談でも言わない。

※2 たとえば凪の会社の中で割りに合わない立場への不満や、空気を読みすぎて読みきれないみたいなしんどさは共感も出来るし、対照的に描かれる足立さんのある種の自我の強さを持て余してしまう感も分かります。個人的には中間くらいの立ち位置で我慢すべき時と自分に利する様にポジション取りする時のバランスを取れれば良いと思うのですが、段階的にくるギリギリのラインで凪が退職を選べたのは良かった事なのかも知れません。

※3 蒸し返すようで悪いけれど、炎上した午後ティーのイラスト広告に最後に出てくる(こんな子居ないって言われていた)ストレートティー役の子、女子大生風に描かれててアスレジャー風味の服だから分かりづらいけれどまんま凪だと思いました。

※4 このコマに出てくる髪の毛クルクルの子、凪ちゃんですよ。冒頭に載せた表紙のコンサバなサラサラストレートの子と同一人物ですが、髪型によって服装も表情も登場する場所も異なるのでどうしても別人格のように見えてしまいます。

 

機内で観る「ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男」

先日のタイ旅行の際、往路は昼間に飛行機に乗ったので機内で映画を鑑賞しました。

有名どころの「グレイテスト・ショーマン」や「シェイプ・オブ・ウォーター」も気になりましたがそんな話題作をスルーして観たのが、邦題「ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男」です。

www.churchill-movie.jp

選んだ理由としては単純に主演のゲイリー・オールドマンが好きなのと、アカデミー賞で日本出身の辻一弘氏がメイクアップ&ヘアスタイリング賞を受賞されたので気になったというのと、元々政治劇は好きな方だった、というあたりです。

これから旅をするんだから機内くらいお気楽で明るい作品を見れば良いじゃん、という気もするのですが、無駄にテンションを上げなくて良い点、あの小さい画面でみても損な感じがしない点、そしてアカデミー賞で話題になった割に実際の上映情報が出て来ずここで観なければ見逃す感(多分地上波にも流れなさそうだし)も相まって常にスーツのおじさん達で黒々とした画面を眺める事にしました。

 

以下、感想をまとめます。あんまり集中して観る環境ではなかったので雑感程度となります。

 

ゲイリー・オールドマンチャーチルそのもの

チャーチルについて詳しい訳ではないけれど、教科書などに載っているあのチャーチルの写真生き写しでした。特殊メイクの技術は凄い。目元の辺りとかはよく見るとゲイリーの要素というか面影が残っているのですが、「ゲイリーが特殊メイクでチャーチルに寄せた」ではなくナチュラルにこういうおじさん居るよねレベルの自然さでした。

それにしても、こういう事を言うと元も子もないのですが、何故チャーチルとは元の外見が似ても似つかないゲイリーをキャスティングしたのでしょうか。年齢の違いはともかく、体型も顔立ちも元から似ている俳優はいそうなものですが、やはりキャリアと実力、英国人という文化的背景から適任だったのでしょうか。確かに演技は素晴らしくて引き込まれました。安定のゲイリー。日本語字幕がなく吹替で鑑賞したので声が聞けなかったのが残念でした。

 

②演出とかストーリーあれこれ

映像としては全体的に黒々としたトーンの中で、チャーチル宅のシーンになると柔らかな日差しが入ってきて明るく穏やかな印象になります。こういった英国の建築物の明と暗の両方を美しく効果的に魅せるのはさすがジョー・ライト監督(「プライドと偏見」、「つぐない」で顕著)だなと思います。

観るとは思ってなかったので、戦況に関しては予備知識ゼロでした(この辺りの局地的な戦況って学校で学びましたっけ?教養が欲しい)。この作品は新人秘書のエリザベス・レイトンの目線で描かれる場面も多いので、与えられる情報の少なさから来る不安感(不謹慎ですが有り体に言うと、この映画のストーリーこれからどうなる?という手に汗握る感)が割と同一化された状態で見れます。出番の多い役ですが、比較的癖のない好感の持てるキャラクターだったのと、個人的に演じるリリー・ジェームズが好きな感じの見た目だったのが良かったです。

作中の日にちが変わると画面に大きく日付が表示される演出があり、切迫した状況の中で物事が決められていったという事が体感的に分かるようになっています。

邦題が邦題なので、ハッピーエンドというか希望の持てるような結末になる事は予想をしていました。しかし政治家がチマチマ密室で会議をするという地味な絵面でどのように大団円に持っていくのかと思っていたのですが、思いの外熱いラストでした。(邦題で明言する是非は置いておいて)チャーチルの行動の何を以て世界を救う、という事にするのかが明確に表現されていたと思います。

 

③しかしこれをうっかり鵜呑みにしてはいけない気もする

こういう健全なナショナリズム(パトリオティズムって言った方が聞こえが良さそうだけどこの場合はナショナリズムよね?)風味の話、おそらく私が好きなタイプの話で簡単に感動してしまいます。戦争も軍事関連コンテンツも好きではないのですが、「国」という枠組みが素朴に存在していた時代の経済や政治分野での「国」を底上げする為、一廉の国と認められる為のパワーや矜恃といった文脈が刺さるのだと思います。且つそこに人権意識やら倫理観を絡められると、更に感動の正当化が凄い事になりそうです。

でもなんとなくそのまま思考停止してチャーチル礼賛して終わるのも引っかかったので、帰国後簡単にネットで調べてみました。映画の中でもチャーチルは強硬な姿勢を見せていますが、立場や戦略上冷静というのを越えて「戦争屋」という印象を受けました。実際に史実としても派手な戦略好きであったようです。また一番感動を呼びそうな終盤手前の(フラットで人権っぽい)エピソードがあまり現実的じゃないなと思っていたのですがその部分のみ脚色されていたらしいですね。第二次世界大戦を題材にした一般向けの映像作品では、ヒトラーについては(序盤に少し歴史的資料のような本人映像を流して)悪の概念のような描き方しか出来ないのだとは思いますが、それに対してのチャーチルを単純に善の象徴と位置付けられてしまうのは宜しくないなあという気分です。

おそらく英国や欧米の人の中には「チャーチル=気難しい嫌われ者のじいさん」という共通認識があろうか思うので、大戦中の功績を縦軸に据えつつも、そのじいさんの家庭人としての側面や意外とお茶目な部分などの人間味という切り口が有効なのだと推察します。が、私のように顔と最低限の史実しか知らない浅学なタイプの視聴者にはそのギャップ感が伝わりづらい。元々知らなかったので全体として新鮮ではあり、また1人の政治家として興味を惹かれましたが。

 

題材が戦争なので、恐らく複雑な思いを持つ方はいらっしゃると思いますが、一つの映画作品としては丁寧に作られた良作だと思いました。

 

タイ旅行雑感

前回はタイ旅行に持って行くべき荷物をまとめましたが、今回はひたすら雑感を述べていきます。

 

 

malily7.hatenablog.com

 

 

①なんでも極端

屋外の暑さと屋内の強い冷房。からい料理に甘いデザートやジュース。とても愛想がよく礼儀正しい印象があるのに野外でウダウダ寝ている。なんでも振れ幅が大きい。

都会的な高層ビルや大きな商業施設がある一方、車窓から見る雑多な下町や古く小さい家々など貧富の差の様なものも感じます。以前ネットで、上海か北京かどこかの下町の路地の延長線上にそびえ立つ高層ビルの写真を見てスチームパンクが現実になったような印象を受けたのですが、バンコクでも同じような感覚をおぼえました。日本の街並みも他国の人から見たら同じ様に映っているのでしょうか。

某古都でも「伝統と先進性の融合」みたいな事をコンセプトにした街づくりが行われていますが(こういう合言葉は日本各地でありそう)、バンコクの街づくり行政の方針などは気になります。

 

②衛生面

バンコクの道路は所々生ゴミの匂いがします。最初の1日2日はキツかった。ホテルの清掃もそれほど丁寧ではないです。

反対にトイレは心配したほど汚くはありませんでした。使用したところが比較的しっかりした施設や王宮などの遺跡だった事もあるのかも知れませんが、日本の駅などでそれより酷い所はザラにありそうです。とはいえ、私は行きませんでしたが大衆的な観光地のトイレは酷かったようなので場所柄に左右されるようです。

 

③王宮見学時の服装

サンダル履きや短パン、女性のノースリーブは不可との事前情報があったので、ミモレ丈くらいのガウチョパンツを履いていたのですがコーディネーターに渋い顔をされ王宮に入る際は腰履きで丈が長く見えるようにしてくれと言われました。Tシャツの袖が短めのデザインだったのでトータル的な判断だったのか、コーディネーター的に揉め事を避けたいがための厳しめジャッジだったのか。

他の観光客で膝が隠れる丈のスカートの方は上から布を巻いていたり(巻いてもミモレ丈だし中のスカートの丈見えてるけど)、不適当なボトムスで来た人の為か、外でタイパンツが100バーツで売られていました。タイパンツは確かに丈は足首までありますが、生地が薄く太陽光の下では結構脚のラインが透けます。日本の感覚だと夏の部屋着なら丁度いい感じです。正直日本の感覚だとジャッジの基準が分からないので、心配ならフルレングスのズボンを履いていくのが無難です。タイパンツを買うなら買うで柄とかサイズとか吟味したいですし。

王宮内では脱帽、サングラスなども外しましたが、割とそのままの人も多いようでした。健康上の理由でしている方もいらっしゃるので、あまり厳しく言われないようになったのでしょうか。今回は摘発されている人自体見かけなかったのですが。

 

④観光

取り敢えず象に乗った時に一同が笑顔になった。一瞬暑さを忘れました。象、可愛いし頭が良い。10分300バーツ+チップ20バーツ程度、自分のカメラや端末で象と写真を撮ってもらうのに40バーツでした。団体で来るお客さんも多いのでいい感じに商売をしてそうです。

個人的に良かったのが湖越しにワット・アルンを見られた事です(暑くなければ、暑くさえなければ)。三島由紀夫豊饒の海 第3部「暁の寺」に出て来た所です。とはいえ現場で説明を受けるまで知らなかったのですが。豊饒の海は 春の雪>天人五衰>暁の寺>奔馬 の順で面白かった記憶があるのですが内容はうろ覚えなのでこの際読み返したいです。

 

⑤料理

そんなにからくなかったー、と言いたいところですが、激辛商店街に行ってみたりするくらいの人間が何を言っても説得力はありませんね。

今回は、基本的に昼と夜はタイ料理が用意されている旅程でした。タイ料理のみのコースも楽しめましたし、わざわざ日本からカップの味噌汁やら梅干しやらを持ち込みはしませんでしたが、バイキング形式の時は積極的に和食を摂取しました。出汁最高。間違いのないガリ。

あとは単純に量が多い。自分で注文するシチュエーションがなかったのでなんともいえませんがデフォルトでも多分多いと思います。勿体ないとは思うのですが、限界を超えて食べると非常に苦しいので無理はしない方が良さそうです。

 

⑥今回全然呑んだくれていないぞ!

暑い中で体調が悪くなる事や団体行動の中でのトイレが心配だったりで、今回飲酒は結構控えめでした。機内でもノンアル、昼食での飲酒も最終日の皆が飲む雰囲気の時だけです。飲み物はグラスから減ったらその分すぐに継ぎ足されるので、どれだけ飲んだか分からなくなるので必然的に控えめになります。お酒の種類は少なく基本ビールだったのですが、タイ・ウィスキーは一度飲みました。割と水多めで仄かにウィスキー味程度の物を出されたのですが、ウィスキー自体も癖がなくアッサリしてそうな印象でした。

 

⑦まとめ

とにかく暑かった!最終日以外めちゃくちゃ暑かった!タイ料理美味しかったけど暫くは良いかな…と思ったけどお土産に購入したトムヤムクン味のナッツを食べるのは楽しみです。でも今は取り敢えず日本酒を飲みたいです。

タイ旅行に持って行って良かったものなど

所用にて4泊6日でタイに行っておりました。

暑い時期に新興国へ、という事で心配性が故に荷物が増えていく一方でした。

今回はタイに持っていって良かったもの、あれば良かったかも知れないものなどをまとめてみます。

 

①必需品

・ウェットティッシュ

食事の際、殆どの場合おしぼりが出てきません。濃いめのソースがかかっていたり、手で掴んで食べる料理もあるので持っていくのがベター。

・水に流せるティッシュ

場所によってはトイレットペーパーがないトイレがあります。

・日焼け止め

日焼けをしたくなければ必須。汗で流れる為こまめに塗り直しが必要です。

・折り畳み傘

渡航する時期にもよりますが乾季でも雨は降ります。

・屋内で羽織れる上着

外の気温が高い分、室内は冷房がガンガン効いています。薄手のジャケットやカーディガンがあると良いです。

・常備薬

飲み慣れたものを一通り。

 

②持って行って良かったもの

・爽やかな香りのする虫除けスプレー

都市部にも蚊がいるので虫除けスプレー自体持って行った方が無難ですが、とにかく暑いのでこまめにスプレーして爽やかな香りをかぐことでリフレッシュ効果を得るというメリットもあります。朝スプレーして昼時にもスプレーをした腕は虫に刺されず、し忘れた脚は刺されたので3〜4時間置きにはスプレーし直した方が良さそうです。

 

・サングラス

目が開けられないほどつらい、というほどではありませんでしたが、掛けた方が目の疲れが軽減できます。はたから見ると掛けた方が涼しげに見えるそうです。移動中の寝顔も隠せます。

 

ミンティアフリスクといったタブレット

私自身はからい食べ物が好きなのでタイ料理がそこまで苦ではありませんでしたが、味が濃かったり癖のあるものが多いのも確かです。タブレットは口がスッキリする効果もありますし、食べ慣れた味を手軽に味わえるのでおすすめです。

 

③あれば良かったかも知れないもの

・替えのTシャツ

一日中晴れの日は汗を大量にかくので、着替えるタイミングがありそうな場合は事前に替えTシャツを用意しておくといいかも知れません。スケジュールが合えば現地でタイっぽい柄のものを買うのも有りです。

 

・耳栓

宿泊先の近くで鶏を飼っているところがあったのか、毎朝早朝から野太い鳥の声が聞こえました。近所の学校で練習試合をやっている時の歓声のような鶏の声…。それがなくても宿によっては壁が薄いこともありそうなので気になる方は耳栓があるといいかも知れません。

 

④持って行ったけれど使わなかったもの

・レインコート

乾季だったのと自動車での移動が多かったため、必要となる場面がありませんでした。

・必需品の予備

個人差や旅程に左右されますが、ウェットティッシュ3個は1個もしくは余裕を見ても2個で十分だったし、水に流せるティッシュ6個パック×2袋に至っては全く使いませんでした(しかし同行者によるとやはりペーパーがないトイレもあったようなので全く持って行かないというのはナシですね)。

 

今回は比較的過不足のない荷物で行けました。品目としては持って行ったものをほぼ使いましたが、一品目辺りの量が多くなりがちなのが、荷物が増える要因のようです。足りない物を現地で買える能力もしくは勇気、時間的余裕がある方は少ない荷物でも大丈夫かも知れません。でもいずれの場合も万全な健康状態が一番必須ですね。

 

 

松尾大社周辺 散策

少し間が空きましたが、先日書いた記事の嵐山散策の日に、少し足を伸ばして松尾大社の方まで行ってきました。

 

malily7.hatenablog.com

 

敷地に入ると本殿の方へ向かう参道の途中に「お酒の資料館」というものが目に入りました。めちゃくちゃ気になったのですが、良心が咎めたので先に参拝を致しました。

楼門を入ると広い敷地の真ん中に拝殿、奥に本殿があります。よく晴れた日に広大な空間で参拝すると清々しい気分になります。

本殿の周りにも酒樽が沢山あります。松尾大社には何度か来たことがありますが、縁結びと交通安全のイメージが強く酒造神という知識がごっそり抜け落ちていました。何故そんなに重要な事を知らなかったんや…。

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規模の大きな授与所に御神籤、流鏑馬(といっても馬はいないけれど)を模した的当てのコーナーなど諸々充実した雰囲気です。

 

そしてお酒の資料館。(入場無料)

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「松尾の神は酒の神」というパワーワードが散りばめられた資料館でした。元々は渡来人の秦氏醸造技術を持っていたことが由来との事です。お酒だけでなく醤油や味噌などの製造業者にも崇敬されている神様です。

松尾大社やお酒や文化の歴史、色々興味深かったけれど、一番良かったのはこちら。身にしみるお言葉…。

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お酒の資料館の外には地元の酒造の、松尾の水を使った日本酒が販売されていました。試飲させていただきましたが、しっかりした日本酒らしい味でした。

 

松尾大社を出た後は英国庭園風の喫茶へ。

鈴虫寺方面へ徒歩10から15分のandanteというお店です。

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作り込み過ぎない自然なお庭から風が入って涼しい。

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いつもはアイスコーヒーなどを頼むのですが、ここは紅茶で。チーズケーキ以外にもスコーンやパウンドケーキ、チョコレートケーキなどがメニューにあります。いずれも素朴な雰囲気です。

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店内にはテディベアが沢山居ます。一角に集められているのでそれほど主張はないですが端的に言って可愛いです。

 

このお店、自分では絶対見つけられなかったし、探しても候補に挙げなかったと思う。友人の提案に乗ると新しい発見があって楽しいですね。前半酒酒言っていましたが、こういう休日の過ごし方いいなと思いました。

嵐山散策のススメ

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京都の嵐山というと定番の観光スポットです。あまりにも有名で人が多く集まるため、地元の人間は敢えて行きたいという場所では無いと思われがちですが、桜の時期を外せば人出は市街地とそれほど変わりありません。

ここ数年、他の土地から友人が遊びに来る時に嵐山を案内する機会が何度かありましたが、行ってみると毎回楽しかった思い出しかなかったので、改めて嵐山をお勧めする理由を挙げて行きたいと思います。

 

 

①良好なアクセス

嵐電(京福電車)の場合は二つの終点からそれぞれ、四条大宮から24分、北野白梅町から27分

阪急電車の場合たとえば、烏丸から21分、京都駅から36分

時間だけで見てもまずまずの好条件ですが、ここで強調したいのはバスではなく電車という点です。

こうした景色を楽しむような遠隔地のスポットは、大抵市街地のメインとなる駅からバスで40分〜1時間以上掛けて赴くようなアクセス条件が多いのですが、そうした場合、バスが時間通りに来るか、バスの限られたスペースに自分達が乗れるか、乗れても満員でしんどくないか、バスとバスの乗り継ぎは上手くいくか、帰りのバスの時間は、など結構心配事が多くなります。市街地を何ヶ所も回るのであれば一日乗車券を購入して京都市バスで回るのが便利ですし、一つミスっても次のバスや代替案があり取り返しが付きやすいですが、少し離れたスポットとなると計画が大幅に狂う可能性が出てきます。その点電車のキャパシティへの信頼感は計り知れません。これで体調が地味に悪くなったり、予定が狂って同行者と険悪なムードになるリスクが減らせますね。

 

②のんびりした雰囲気

街中の観光地だと、地元で生活をしている人や仕事をしている人、繁華街へ繰り出す人、色々な人がいる環境です。当然ゆったりと観光をしている人とは違った気忙しいマインドの人も沢山います。しかし遠隔地であればその殆どが観光しに来た人になります。

嵐山は遠隔地の中でもとりわけ楽しげでのんびりした印象があります。おそらく他の遠隔地のスポットは寺院への参拝がメインという点が影響していると思われます。やはり寺院となると厳粛な気持ちになったり、順路や参拝の手順が決まっていてぼんやりとは出来ません。仏教や歴史的な由来、建築物や庭、道具などの説明など知的好奇心を満たすものも多く、頭を働かせるタイプの楽しみ方です。

その点嵐山は、川や竹林などの自然を眺めたり当てもなく歩きまわったりといった、ゆったりとした時間を過ごせます。勿論能動的に楽しもうと思えば、社寺見学やボート遊びなども出来ます。

 

③国際色豊かで興味深い

個人的には、嵐山に来た色々な観光客の人を見るのが好きです。観察と呼べるほどじっくり見てはいませんが、嵐山には色々な人種・国籍の人がいる様子が目に入ります。市街地だとそれほど他人の事を見ていないのもありますし、スタンダードな服装をした東アジア系や欧米系の観光客の数が多い印象がありますが、嵐山ではアラブ系やインド系の服装の方もよく見かけます。インドっぽい民族衣装を着た女性が、着物を着た(おそらく一般の観光客の)若い女性と写真を撮っていたりして微笑ましい気持ちになります。

写真の撮り方一つでも、日本人だと友人同士で肩を寄せ合ってとか、風景の前でピースサインしたり微笑んだりと言った撮り方になりがちですが、外国の方だと一人で腰に手を当ててクールな感じでキメて撮っている人も多く、様になっていて格好いいです。

あとは同じ言語を話している別々のグループの外国人の方々を見ていると、本国では(ライフステージ的にも、個人の性格やノリといった意味でも)違うグループに属していそうな感じで、例え出身国が同じだとしても、もうここでしかすれ違わない人達だろうなと思うと感慨深いです。中国語らしき言語を甘い感じの喋り方で話している、夢可愛い髪色と服装をした女の子を、条件反射的に台湾人って思ってしまったのは台湾ドラマの影響でしょうか。大陸の人が夢可愛い髪色をしているイメージが無い。

 

④観光に特化した親切設計な街

通りにはお土産物やスイーツなどの路面店が並びます。店舗数が多いため、お土産一つ買うのにレジに行列せざるを得なかったり、全く食べ物にありつけない、といったことにはなりにくいです。しっかりした食事をしようとするなら早めに済ませるか、予約できるならするなど計画を立てた方が無難です。

嵐電嵐山駅の向かいには複合施設もあり、京都らしいお土産が一通り揃っています。1Fが食品系、2Fが工芸系です。こちらの1Fにあるマールブランシュは嵐山限定パッケージがあったりその場で食べられるようなアイスやエクレアなども売っています。丹山酒造ではスパークリング日本酒など飲みやすいタイプのお酒を売りにしているようで、量販店などにはあまり卸していないとの事なので荷物にならなければこちらで買うのもアリだと思います。

お店の人達は程よくドライかつ愛想が良い人が多くて楽です。

 

こんな感じで嵐山、比較的気楽に行けるスポットです。ハイシーズン以外で旅行をお考えであればサクッと旅程に組み込んでみるのはいかがでしょう?